約 2,940,707 件
https://w.atwiki.jp/sousakurobo/pages/280.html
統合歴329年5月1日 必死になって戦い抜いた受験戦争も終わって、遂に俺も高校生だ。 なんて思っていた矢先に通勤に便利だからという母の一声で、八坂州に家を建てる事になった。 そんなアパートを借りるような気分で家を建てて良いようなものなのだろうか? 家なんてものは一生に一度の買い物じゃないのかと母に問うと 「一度に限定する必要は無い。」 軍人である父よりも、ある意味男らしい人だと思った。父はと言えば 「殆ど帰らないからな。寝心地の良いベッドがあるなら何処でも構わない。」 実に如何でも良いよいうような反応を返された。 そして、必死に勉強して入学した砕牙州立砕牙高校に僅か一ヶ月で別れを告げ 私立八坂高校に転入する事になってしまった。 態々、州立高校に受かったのに私立高校に移される事になろうとは…嘆いていると 「私立高校の方が何かと黙らせるのが楽だ。」 お袋様、相手は子供なのだから、もう少し表現を考えて欲しい。 寧ろ、多少の無理があっても嘘を吐くべきだと思う。 「州立よりも私立の方が遊び易い。」 親父殿。学校は勉学に励む場所だ。 そんないい加減な両親に連れられ新たな制服を受け取る為、新たな学び舎に訪れていた。 それにしても、周りの視線が鬱陶しい。身内が有名だと如何にも肩身の狭い気分だ。 繊細な自分に引き換え、母は随分と慣れたもので差し向けられた視線など何処吹く風だ。 父親に至っては最近の高校生は発育良いな。などと通報されても文句は言えないような危険な言葉を発している。 本当に勘弁してくれ。我が家の有名人。 教員の目の前で両親が変な事を口走りやしないか心配ではあったが、大人しくしてくれていたのは幸いだった。 恙無く、制服や教科書一式を受け取り、長期休暇後、新たな高校生活が始まる事になった。 それにしても何故、子供の俺が問題児を預かる親のような心情で自分の親を警戒しなければならないのだろうか。 転入に伴う必要な儀式を一通り終えると、母はさっさと職場に戻った。 家と職場が近くなった事だし、週に一度は家に帰って来る事になるだろう。 父親と何ヶ月かぶりに夕食を共にした。 「お前も高校生だし、両親が留守にしがちなんだ。大いに羽目を外せ。」 如何贔屓目に見ても、未成年の子供に言う台詞では無いと思った。 「ガキの癖に可愛げの無い事ばかり言っているからだ。ガキなんざ、親に迷惑かける程度で丁度良いんだ。」 尤も、何かしでかしたら殴り倒すがな。と後から思い出したように親の役目を持ち出されてもな… 頼むから、もう少し大人になってくれ親父殿。 「そういや、八坂高校にはスポーツギアがあるそうだな。」 スポーツギア 全長7mの軍用人型機動兵器アームドギアの能力を大幅に限定したスポーツ用ロボット。 一般車両以上、戦闘車両未満の微妙なラインの上に立つスポーツ用品で 格闘技とも、モータースポーツとも付かない微妙なラインの上に立つ競技である。 何かと微妙な立ち位置ではあるが、鋼の巨人がぶつかり合うスポーツに多くの人間が熱狂している。 とは言え、この兵器紛いのスポーツ用品は兎に角、金がかかる。 金を持ったロボットオタクのスポンサーを捕まえないと話が始まらない。 始まらないが思いの他、この世の中には金を持ったロボットオタクの大馬鹿野郎どもが世界各地に居る。 特に筋金入りのロボットオタクは自分が乗って戦うよりも 自分が理想とするロボットが大暴れする様を間近で見る事に全てを賭けている。 だから、他のスポーツ同様、区大会、州大会、全国大会と大規模な大会を開催し 人と金を集める事には概ね成功していると言って良い。 「それは何か?スポーツギアで暴れて予習しておけというフリか?」 この親父殿、俺が軍人になっても苦労しないようにと 幼少の頃から現在進行形で現役の軍人と同様の訓練を課してくれている。殺す気か。 それはさて置き、スポーツギアの前身であるアームドギアは軍は勿論の事 警察にも配備されているし、消防にはレスキュー用のギアが使用されている。 スポーツギアに慣れておけば、将来、ギアを使った職業に就いた時、 人並み程度の苦労をする必要が無くなるという算段である。 今、人並み以上に苦労しているけどな。 兎も角、軍人になった時に苦労しないようにと訓練を課してくれる親父殿ではあるが 流石に金が無いせいか、アームドギアを使った訓練は課されていない。 「興味があるならやってみれば良い。アレは存外、良い玩具だ。 予習にならない事も無いが…アレは兵器じゃなくて玩具でしかない。」 よくよく考えてみれば、ギアだけに限らず銃器を含む他者を殺傷する目的に作られた武器や兵器の類は 一切、触れさせてもらっていない。触れさせられても問題だが。 「俺がお前にやらせている課題は、あくまでも健康的な身体作り為のものでしかない。」 何を仰るのやら、この鬼教官は。 何はともあれ、鬼教官である親父殿にとってスポーツギアは出来の良い玩具に過ぎず 折角、珍しいクラブがあるのだから興味があればやってみれば良い。 よく考えれば、極普通の親子の会話だ。 あまりにもまとも過ぎて俺の脳が追いついていなかっただけらしい。 統合歴329年5月11日 その日、八坂高校では季節外れの転入生の話題で持ち切りだった。 特に一年生は新たに始まった高校生活が思いの他、普通で中学と何ら大差が無くて辟易していた矢先に 有名人の息子が転入してくるという、ちょっとした一大イベントの発生である。 TVや雑誌などで顔を見た事のある目ざとい女子生徒などは特に有頂天になっている。 その中でも、他とは違う意味で転入生に一抹の期待と不安を寄せている女子生徒がいた。 霧坂茜華。スポーツギア部に所属する一年生である。 ついでに、転入生に対し大いに期待する、やたらと屈強そうな男子生徒も居る。 様々な思惑が本人の与り知らぬ所で渦巻いている事も知らずに転入生はHRで無難な挨拶をした。 「砕牙州から来ました。守屋一刀です。」 統合歴以前…たった一つの小さな惑星の中で無駄に多くの国家に分かれて人間同士で 殺し合っていた時代、古くから倭国を守る一派、守屋一族の末裔である。 尤も、今となっては様々な血を受入れるようになった事もあり、純粋な倭国民族では無いし 其れ程、大それたものでは無い。ただ軍の広報が守屋の一族を放っておかない。 そうこうしている内に世界で一番、有名な軍人とその息子になっていただけだ。 全く、普通の家庭…と断言出来る程の厚かましさは持ち合わせては居ないが 周囲が思っている程、大した物でも無いと思っていた。 だが、他人から受ける評価に本人の意思は関係無い。 例え、それが大きく的外れな評価であってもだ。 この場合、大きく的外れな評価だったら、このような事件も起きなかったのだろう。 多くの生徒の想像通り、守屋一刀は高校生としては破格の身体能力、戦闘能力を持っている。 だからだ。だからこそ、運動部。特に格闘技系のクラブの生徒達は何がなんでも 守屋一刀を引き入れようと必死になった。 その勢いは、ミーハーな女子生徒でさえ近付くのを諦める程で守屋が激怒する程度には充分過ぎた。 「同じクラスなら勧誘なんて楽勝だと思っていたんですけどねぇ…」 霧坂は苦い顔でギア部専用スタジアムで事の切欠をレギュラー陣に話していた。 休憩時間の執拗な勧誘のせいで、守屋はトイレにも行けない、食事も落ち着いて摂れない。 最初の方は丁寧に断りを入れていたのだが、厚かましい上級生達の行いに耐えかねて ぞんざいな対応をしてしまい、口論となり…一年の教室棟の廊下は血に染まった。 喧嘩両成敗という事で守屋一刀以下53名は2週間から1ヶ月の停学処分。 尤も、殆どの生徒が一ヶ月で退院出来るか如何か怪しいところだ。 全クラブには入学式後のクラブ案内以外の部活勧誘を一切禁止を言い渡された。 暫くは格闘技系のクラブはゴミクズのような目で見られる事になるだろう。 「だけど、そんなに乱暴そうな子じゃなかったんだよね?」 ギア部レギュラー、内田燐は正直、憂鬱だった。 例え、どんなに強かろうと不良等の手合いだったら関わりたく無いし、入部もして欲しいとは思わない。 だが、内田のそんな不安も霧坂にとっては何処吹く風だ。 いや、霧坂に限った話では無い。彼女を除くレギュラー陣は守屋をギア部に引き入れる気でいる。 「何の面白味も無さそうな、極普通の男子って感じなんですけどね。 寧ろ、よくぞ昼休みまで耐えたって思いますよ?私なら2限でブチきれてます。」 だからこそ、停学二週間という最も軽い処分で済んだわけだが。 「それにしても、如何します?何か脳筋達のせいでやり難くなりましたけど」 霧坂が視線を投げかけた先には如何にも優等生といった風貌の生徒が今回の事件に関する書類を眺めていた。 霧坂に話を振られたと同時に書類を丸めてゴミ箱に投げ捨てた。 「罰するべき相手を誤るような大人の言う事など一々、聞いていられないだろう? 勧誘については礼節を損なわないようにな?」 「そりゃあ、私だって血の海に沈みたくは無いですからね。」 最初から学校側の指示を従うつもりなど更々無く、クラスメイトという立場をフル活用して 守屋をギア部に引き込むとういう当初の目的を達成するつもりだった。 統合暦329年5月22日 「終わった……しっかし…どう考えても俺が被害者なのに、何で俺が停学二週間とかになるんだろうな。」 職員室で渡された課題は、夏休みの課題かと見間違える程の量で、守屋を辟易させるには充分過ぎる量だった。 根が真面目なお陰で、復学までには余裕を持って片付ける事が出来た。 尚、転校初日に早速、傷害沙汰を起こし停学処分を受けた事に対して両親は 「ガキのじゃれ合い如きで大騒ぎするな。」 「子供の喧嘩如き、子供同士で解決しろ。」 知った事かと一片の躊躇も無く斬り捨てた。 今更、親が何か言って来るなんて思ってもいなかったし 退学にならなかっただけマシと思う事にした。 それにしても新たな高校生活を初日から滅茶苦茶にしてくれた武術系のクラブには 絶対に入部しないと心に決めて辟易する量の課題を鞄の中に仕舞い込んだ 「それにしても…絶対に俺の第一印象最悪だ…友達出来るのか、俺?」 ロクでも無い高校生活になるのではと、頭を抱えているとインターフォンが鳴った。 (此処を訪ねるような人なんて…担任か?) ドアを開けるとブロンドアッシュの長い髪にダークブルーの瞳をした少女…霧坂が人懐っこい笑顔で手を振っていた。 白を基調とした制服から察するに八坂の生徒なのだろうが、全く知らない生徒だった。 寧ろ、乱闘事件を起こす切欠となった男子生徒の顔すら覚えていないのだから そもそも、八坂の生徒の顔なんて一人も覚えていない。 「どーも、こんばんは。」 考えても考えても顔も名前も出て来ない。 「こんばんは…えーと、クラスの子?」 クラスメイトが停学中に溜まっているプリントを持って来てくれたとかだったら 何と無く、有り勝ちな話だと思い言ってみた。 「やっぱり覚えてないか…同じ1年3組のクラスメイトだから宜しくね。」 顔も名前も覚えていないが、クラスメイトというのは正解らしい。 霧坂は顔を覚えられていない事を別に気にするわけでも無く喋り出したので 守屋も気にせず話を促した。 「ああ。宜しく。それで…今日は?」 「うん。守屋君ってさ、ロボット。スポーツギアに興味無い?私、ギア部の部員なんだけどさ。」 正直、停学処分を受けた時の怒りが再燃しそうな思いだった。 八坂の生徒が滅茶苦茶な勧誘の仕方をしなければ停学処分を受ける事も無かった。 恐らく自分の印象は最悪だ。これ以上、印象を悪くするような真似だけは避けたい。 兎に角、理性を総動員させて感情的にならないよう、無愛想にならないように努めた。 愛想笑いをしながら断りを入れよう。頭の中で丁寧な断り文句も用意した。 (よし、大丈夫だ。いける。) 「いや~、あの後で全校集会になっちゃって、守屋君に対して部活勧誘行為が一切禁止になっちゃったんだよね。」 そんな霧坂のあっけらかんとした態度が守屋の癇に障った。 必死に総動員した理性も何処かへ飛んでいった。 「で?教師の目が届かない自宅なら大丈夫だと思ったのか? 住所を調べ上げて断りも無く来て…八坂には非常識な生徒しか居ないのか?」 あからさまに不機嫌な態度を取る守屋に霧坂は酷く焦った。 流石に暴力を振るわれる事は無いだろうが…無いよな? 兎に角、コレは非常に良くない。如何にか機嫌を直して貰わなければ。 「あ、いや…それはその…」 焦る霧坂を前にしても一度開いた口は簡単には止まらない。 「態々、勧誘なんかに来なくてもギア部には興味があった。 だけど、あんな事があったせいで俺は停学になったからな。 勧誘して来たクラブには入らないって決めているから。」 「うあ…もしかして、私やらかした?」 簡単に止まった。見ているのが気の毒になるくらい霧坂は落胆したからだ。 守屋は霧坂のそんな様子に溜飲が下がり、此の侭、追い返すのも忍びない。 そんな短絡的な発想を持ってしまった。 「態々、訪ねて来てくれたのに悪かったな。」 「そう思うんだったら!」 すぐに顔色を変えて飛びついて来る。 前言撤回。成る程、この女はそういう手合いの奴なわけか。 せめて謝罪くらいはするべきだと思った自分が馬鹿だったと思い知った。 「厚かましい。帰れ。」 そして、理解した。 コイツに限って言えば、無碍な扱いくらいが丁度良い。 統合暦329年5月25日 停学の開けた月曜日の朝の事だった。 気を使ってくれているのか、行動力があるのか。はたまた厚かましいだけなのか。 (厚かましいだけなんだろうな。) 何故か、霧坂が守屋の自宅まで迎えに来ていた。 「いや、別に勧誘とかじゃないから警戒しないでよね?」 「呆れているだけだ。」 「そんなに邪険にしなくったって良いじゃん。 クラスメイトだし、家も目の前だし、純粋に一緒に学校行こうかなとか思っただけだよ。」 眩暈がした。今、何て言った? 家も目の前だし? 「家が目の前って如何言う事だ?」 「如何って?そのままだけど?」 ホレと、霧坂が指差した表札にはしっかり霧坂と書かれていた。 「すまん。お前の名前知らない。」 「自己紹介して無かったっけ?」 守屋自身、人の名前を覚えるのは余り得意な方では無いので、ただ忘れている可能性もあるが… 此処までアクの強い奴なら一度聞いたら忘れたくても、忘れそうにも無い。 「取り合えず、霧坂で良いんだな?」 「うん。霧坂茜華。忘れないでね?」 出来る事なら忘れたいと思った。 しかし、狭い道路を隔てて、文字通り目の前とは… 「…眩暈がする。」 「そう言えば、ギア部の活動場所って何処にあるんだ?見学に行こうと思っているんだけど。」 「え?何?どういう心境の変化?寧ろ、私に気がある!?」 質問に対して普通に返せば良いのに、何でコイツはこう…変なリアクションを取るのだろうか なんだか疲れる奴…絶望的に相性が悪い。そんな思いで胸がいっぱい…胸焼けしそうな思いになった。 「元々、ギア部には興味があるって言っただろう? 勧誘されて良い気はしないけど、見学するくらいなら行っても良いかと思っただけだ。 それから…知り合って間もない相手に対して、そんな気は起きない。」 「50点。」 「意味が分からない。」 「私に対して、その気が無いってのは、どういう了見よ?」 (鬱陶しい。) 守屋は返事をする気力も根こそぎ抜き取られ、霧坂を無視して学校へ向かった。 霧坂が何か言っているが、これ以上疲れるのはゴメンだと、歩みを止める事をしなかった。 (とは言え、霧坂にギア部の活動場所を教えてもらうまでは機嫌を損ねるのは良くないか?) 何と無く、霧坂の方を振り返って見ると 「どしたの?」 (うん。コイツはそういう奴なんだろうな。) 気にかけた事が馬鹿らしくなり、再び歩みを進めた。 それから、放課後まで大人しく過ごし、校内モノレールに乗る事5分程。 案内された先は、山の中腹を削って建設されたスポーツギア専用スタジアムの中だった。 広々としたスタジアムの中には鋼の鎧を纏った鋼鉄の巨人。 いや、鋼鉄のスポーツマン。5体のスポーツギアが稼動していた。 「アレが…スポーツギア…」 父親の職業柄、その手の知識はあったが軍用機アームドギアですら触れた事も実物を見た事だって無かった。 7mなんて中途半端な大きさだと思っていたが、初めて見るギアの勇姿に守屋は完全に心を奪われていた。 ↓ 感想をどうぞ(クリックすると開きます) +... 名前
https://w.atwiki.jp/sousakurobo/pages/362.html
統合歴329年8月6日 「楽しかったけど、やっぱり我が家が一番、落ち着くわ~。」 霧坂は部屋に着くなり荷物を投げ捨て、ベッドの上に飛び乗り寛ぎ始めた。 「気持ちは分からんでも無いが、それは中年の台詞であって子供の台詞じゃない。」 守屋は慎みという物を何処かに置き忘れた同級生の行動に頭を抱える。 霧坂がベッドにダイブした時に黒い下着がチラリどころか、モロに見えてしまい非常に居心地が悪い。 「せめて、大人の台詞って言ってよねぇ?」 守屋が霧坂に行動に対して苦言を漏らすのもいつもの事で、霧坂がそれを適当にあしらうのもいつもの事だ。 だから、霧坂は特に気にするわけでも無く、守屋に向き直り足をバタバタさせながら、さも楽しげに不満を漏らす。 気付いていないのか、気にしていないのか。変に指摘すると薮蛇になり兼ねないので守屋は下着の事に関しては黙る事にした。 「第一、此処は俺の部屋であって、霧坂の部屋では無い。そもそも…」 仮にも男の部屋に二人で居ると言うのにも関わらず、この無防備さ加減には呆れ果てるしか無い。 普段から異性扱いしていないのはお互い様だが、流石に此処まで酷いと辟易するのも通り越して、軽く凹みそうになる。 尤も、其れすらもお互い様なのだから霧坂ばかりに文句を論うのは、少しばかり筋違いというものだ。 「細かい事、気にしないの!!私にとっちゃセカンドホームみたいなモンだしさ。」 あまり守屋の苦言を聞き流してばかりもいられない。あまり放って置くと、苦言では無くお説教が始まるので キリの良い所で大声を出して守屋の苦言を中断させる。一々、事細かで神経質で面倒な男だと思う。 「さも当然のように俺のベッドにダイブしやがって…もう少し、遠慮ってものをだな…」 (って、止まんないし。) 普段の守屋ならば肩を竦めて溜息を吐く所なのだが、生憎と今の守屋は照れ隠しの真っ最中だ。 自分自身を落ち着ける為に苦言を並べ立てているだけに過ぎず、自分が何を言っているのか、よく分かっていない。 いないのだが、説教の最中、霧坂がベッドにダイブする姿と同時に下着の色まで鮮明に思い出してしまい守屋は赤面して押し黙る。 「さて、それじゃ夏休みの宿題を片付けちゃいましょうかね。」 霧坂は守屋が静かになったのを良い事に放り投げた鞄の中から数冊のテキストを取り出し、守屋のデスクを陣取る。 「聞けよ…オイ。」 霧坂イヤーは馬の耳。声が大きかろうが、小さかろうが都合の悪い事は防御率6割くらいで事前にシャットダウン。 期末試験で一緒に勉強したのを切欠に霧坂が守屋家に居付くようになり早一ヶ月。 他のフロアもそうだが、特に守屋の部屋に関しては勝手知ったるもので何処に何があるかなど本人以上に把握している。 今回の獲物は守屋が既に片付けているであろう夏期休暇の課題だ。デスク右袖下から二番目の引き出しからテキストを取り出す。 「パーフェクト♪」 パラパラと中身を確認して霧坂は満足そうな笑みを浮かべる。正否は別にして一生懸命やりました感がアリアリと出ている。 「どうでも良いが、丸写「母さんが今夜、ウチで夕飯食べていけって言ってたけど如何する?」 説教が始まるよりも早く守屋を黙らせる為、使用回数無制限な上に一撃必殺の威力と信頼度を誇るカードを叩き付ける。 「勿論、有難く頂戴する。」 霧坂の目論見通り、守屋は短く返答し口を閉ざす。 守屋家の住人は総じて料理の腕が致命的で家庭の食卓という物に縁が無く、食事の殆どを外食や出来合い等で済ませている。 そのせいか、守屋は齢16にして手作りの料理や家庭の味といったものに対して、異常な程の執着心を見せるのだ。 幸いにも霧坂の母親は勿論の事、霧坂自身も守屋の舌を満足させるには充分過ぎる料理の腕を持っている。 霧坂は守屋の悲惨な食力事情に同情すると同時に何とも餌付けするのが簡単な男なのだろうと苦笑する。 特に空腹時は従順だし、何を与えても満足そうな笑顔で平らげてくれるので、守屋に手料理を振舞うのも悪い気はしない。 「じゃ、有難く丸写し「駄目に決まっているだろ。」 守屋の反撃。霧坂が喋り終わるよりも早く、暴挙に出るよりも早くテキストを引っ手繰り、半目で睨みつける。 謀ったな守屋一刀!繊細な乙女心を踏み躙るとは何たる事か!?今日の夕飯はお前の嫌いな…って、嫌いな物とかあったっけ? そんな複雑怪奇で意味不明な感情を込めて睨み返すが、そんな感情を守屋に…寧ろ、理解出来る者など一人として居る筈が無い。 「少しは将来を見据えて真面目に勉強したら如何だ?」 「まだ高1だよ?もう将来とか考えてんの?」 真面目な奴だとは思っていたが此処までかという驚きが半分、お前は進路指導の教師かという反発心にも似た呆れが半分。 守屋は気を悪くするでも無く、そう思われるのは織り込み済みだと言わんばかりに苦笑しながら返答する。 「俺はウチがこんなだからな。高校を卒業したら砕牙州の士官学校に入学して軍へ進む事になるだろうな。」 「軍人かー…私は如何しようかなぁ…」 霧坂は人差し指を唇に当てて考え込むが何も出て来ない。 やりたい事や好きな事と言えば、スポーツギア観戦くらいのもので他の事は割と如何でも良い。 実は自分の手で動かす。作る。直すといった事に関しては、それ程の熱意は持っていないのだ。 常時特等席で観戦出来るからギア部に入ったに過ぎず、選手の道を選んだのも整備するより動かす方がマシだったからだ。 「ま、その内に何か思い付くとは思うけどね。」 「何も思い付かないんなら勉強しておけ。出来るのと出来ないのとでは選択肢の幅が大きく違って来るからな。 後々、やりたい事が見つかっても学力が不足しているせいで、その道に進めないってのは無念だろ?」 「色々、考えてるんだね?」 「全部、母さんの受け売りなんだけどな。あの人も学力不足で苦労したクチらしいからな。 高校卒業する直前で、やっぱり別の道に進みたいって思った時に苦労するぞってな。」 古くから続く軍人一族の一人息子とは言え、軍属に就く事を強要されているわけでも無ければ、期待されているわけでも無い。 「やる事が無いなら家業を継げ」太古の時代に多く倭国人達が遺した言葉に従い軍人にでもなるか程度の心構えをしているだけだ。 「だけど、夏休みももう折り返しだよ?なのに、それらしいイベントが全く無いのは、ちょっと問題だと思うよ?」 守屋は偶には霧坂と真面目な会話でもしてみようと思ってしまった自分が大馬鹿者だったと思い知らされた。 全て夏合宿中に詰め込んで来たとは言え、かなり遊び倒してきたつもりだったのだが、霧坂はまだまだ足りていないらしい。 「夏合宿やって、夏祭りやって、牧場に海に山。花火も見たし来週は区大会もある。これ以上、何を望むんだ?」 「何か物足りないと思っていたけど、地区大会の事を完全に忘れていたよ。」 そう。霧坂にとって、この夏は遊び足りていないのでは無く、ギア分が不足気味なのだ。 と言うよりも、守屋とアイリス・ジョーカーに伯仲出来るだけの実力者との戦いが余りにも無さ過ぎる。 片桐との戦いも悪くは無かったが所詮は遠距戦仕様、鋼のぶつかり合いとは少し違う。 それもこれも、矢神が赤点を取り過ぎて八坂高校に来れなくなったのが悪い。 だが、そんな不満とも後数日でお別れだ。この夏一番の大目玉、守屋と矢神の決戦の日は後一週間足らずで訪れるのだから。 統合歴329年8月12日 八坂州野宮地区大会当日。野宮区立ギアスタジアムには多くの観客が詰め掛けていた。 観客は各校の関係者、熱心なスポーツギアファン。そして、マスコミだけに留まらない。 ギアメーカー、プロモーターチームにギアの盛んな大学、企業といった選手や高校にとって気の抜く事の出来ない観客も多い。 スポーツギアのチームは物好きなスポンサーからの資金提供によって活動を行っているが、それが全てではない。 観客を魅了出来る程の試合を展開出来るだけの技量を持つ選手が搭乗したギアは兎に角、よく売れるのだ。 メーカーや仕様によって長短は分かれるが、スポーツギアの基本性能や価格にそれ程、大きな開きが無い。 勿論、追加パーツや換装パーツ等の性能を向上させる為のパーツもあるが、腕でカバー出来る程度の範囲だ。 よって、チームがギアを購入する際の判断基準は外見、仕様。そして、ギアの印象で決まるのだ。 この野宮地区であれば加賀谷望の愛機、スカーレット。矢神玲のリヴァーツ等が当てはまる。 特にこの2機は地球全土の高校生ギア選手に大きな支持を受けており、生産が追いつかない程である。 彼等が乗ってくれさえすれば広告塔となってくれるのだからメーカーとしては楽な商売だ。 だが、彼等が別の機体に乗り換えてしまったら?自社のギアに乗り換える分には良いが、これが別のメーカーだったら? 企業としては、そんな状態に陥るのは実に面白くない事この上ない。では、もっと乗ってもらう為にはどのような手段を講じるべきか? 例えば予備パーツの安価提供、新開発パーツの優先提供、衝撃緩和剤、弾薬の無償提供などが挙げられる。 兎に角、ギアは金のかかるスポーツ用品だ。消耗品の類でも積み重なると眩暈がする程の金額を要求される。 そういった負担をメーカーが肩代わりする事で長期に渡って広告塔としての役割を果たしてもらうというやり方だ。 守屋としては、アイリス・ジョーカーの性能を観客達に見せ付け、半年足らずで築いてしまった莫大な修理費用を精算したい所である。 何よりも広告塔としての役割を担えた時の金銭以外の利点、工場搬送時の最優先修理は守屋にとっては必要不可欠だろう。 どんな敵でも徹底的に叩き潰す代わりに、徹底的に破壊されるのだから優先的に修理してもらえるに越した事は無いのだから。 加賀谷にとってはプロモーターチームの存在が気になる所だ。 彼等は優秀な選手。それも近々、卒業予定にある3年生をスカウトする為に大会の視察に訪れる。 (全く…何様のつもりなのやら。) 加賀谷はスカウトの可否に興味は無い。寧ろ、辟易する程に引く手数多の状態で正直、目障り極まりない。 此方の都合も考えず、傲慢にも上から目線で品定めをしてくる連中が気に入らないだけだ。 だが、そんな連中を公式の場で完膚なきに叩き潰し、メンツを踏み躙ってやるのはさぞかし楽しいだろうとも思う。 最後に矢神玲。今の所、様々な思惑を錯綜させている部外者達には全くと言うわけでは無いが興味が無い。 学力が少々…いや、致命的に不自由な彼だからこそ、大学や企業のお目にかかって楽に人並みの進路を歩みたいくらいの欲はある。 だが、そんな事の為にこの日、この時、この場所に立っているのでは無い。 誰かと競い合う為に、自分の力を表現する為にスポーツギアの選手としてこの場所に居るのだ。 そして、まだまだ自分と競い合い、ぶつかり合う程の実力には達してはいない物の 将来的には一番のライバルになるであろう少年が銀の髪を陽光で煌かせながら此方へ向かって来る。 「久しぶりだな、守屋。今日は新人戦じゃなくて、レギュラーとして出るんだよな?」 「当然!矢神サンこそ出場するんだよな?またリヴァーツの中に古坂みたいな奴が入ってるって事は無いんだよな?」 守屋にとっては待ちに待った決戦の日だ。唯でさえ長期間のお預けを喰らっている状態だ。 流石にこれ以上は『自称』温厚な守屋でも我慢出来そうには無い。無粋で不逞の輩如きに邪魔をされては業腹というものだ。 そんな守屋の心情を感じ取ったのか、矢神は実に楽しそうに笑う。成長著しい守屋が夏休みの前半で、どれだけ腕を上げたのか? 矢神としても、そろそろ一度、本気で戦っておきたいと思っていた所だったのだ。誰にも邪魔をさせるつもりは無い。 「今日は一切、手加減しないからな。俺とリヴァーツの真の力って奴を見せてやるよ。」 「それは楽しみだ。俺と当たるまでに負けるなよ?」 守屋にとっては初の公式大会だが、緊張には程遠い。 以前、宋銭高校と練習試合を行う前日に霧坂に聞かされていたが野宮地区内で守屋とまともに戦えるのは矢神玲だけだ。 矢神と戦う為には決勝のステージに立たなければならないが、所詮は有象無象。守屋の準備運動の相手でしか無い。 その一方で矢神は抜刀すらせず、ただの一度も被弾せずに拳一つで対戦相手を一撃で粉砕していく。 「まさに破竹の勢いだな。」 守屋は偶然、矢神の試合を目にしてしまい、更に奮起する。 是が非でも、矢神と対等の立場になりたい守屋は左腕一本で、矢神同様に被弾する事無く一撃で勝負を進めていく。 矢神を打ち倒すだけに為に地区大会の舞台に立っているのだ。矢神と同じ事が出来なくては万に一つも勝ち目は無い。 八坂高校ギア部副部長、三笠慶。二年生、阿部辰巳は二人の戦いぶりに嘆息する事しか出来ないで居た。 「守屋の奴、矢神に勝てると思いますか?」 「今のままでは厳しいかも知れんが、漸く巡ってきた矢神との決着に守屋の戦意も充実している。 勝てないにせよ、この場に居る人間全員の度肝を抜く程度には追い詰める事が出来ると思っているんだが…」 確かに一介の高校生に過ぎない二人ですら、守屋の闘気がアイリス・ジョーカーを通じて溢れ出ているのが分かる程だ。 守屋と矢神は流れるように決勝戦まで駒を進める。此処までは八坂のギア部員達の予測通りだ。 だが、観客達はそういうわけにはいかない。完全にノーマークだった1年生が矢神に追い縋る程の勢いで試合を進めていくのだから。 しかし、観客達の驚きなど二人には関係の無い事だし、知った事じゃない。 真紅の装甲に包まれたリヴァーツの眼前に、白銀の装甲を身に纏うアイリス・ジョーカーが立ちはだかる。 「漸くだな。」 守屋は興奮と喜色を含んだ声を矢神に投げかける。これから悪鬼羅刹の如く戦おうとしているとは思えない程、明るい声だった。 「随分と待たせてしまったみたいだからなぁ…」 矢神は楽しくて仕方が無いと言わんばかりに守屋の言葉を受け止め、左肩にマウントされた斬馬刀の柄を握る。 「お互いに手加減は一切、無しだ。」 矢神は真紅の瞳を炎の様に煌かせ、アイリス・ジョーカーの全長よりも長い刃渡り8mもある斬馬刀の切っ先を守屋機に突きつける。 「良し…やるぞ。ジョーカー!」 今までのシミュレーター訓練では受けた事の無い矢神の気炎に煽られ、守屋は意気揚々と声を張り上げる。 右腕に装備されたバックラーブレードの刀身を展開し腰溜めに構え、試合開始の合図と同時に砂埃を巻き上げながら地を蹴る。 スポーツギア随一の脚力を持つアイリス・ジョーカーの加速力から繰り出される刺突は馬鹿正直に矢上機の首に喰らい付こうとする。 フェイントも牽制も無い単純明快な一撃だが、目にも止まらぬ高速の剛撃である事には違いない。 まともに喰らえば敗北は避けられない。とは言え、防ぐのも避けるのも面白くない。何よりも無粋だと矢神は考えた。 守屋が態々、馬鹿正直で力任せな攻撃で俺達の決戦に幕を開けてくれたのだ。 小手先だけの技で対応するなど愚の骨頂。無礼にも程があると考え、矢神は斬馬刀を上段に構える。 「真っ向勝負だ、守屋ァッ!!」 馬鹿正直で力任せな攻撃以外の返礼など思いつきもしない。その結果が敗北だとしても悔いは無いし、敗北など有り得ない。 矢神の闘気を纏った斬馬刀は雷鳴と言わんばかりの轟音を鳴り響かせながら風を引き裂き、大地を侵略しただけでは飽き足らず 地面の役割を果たしていたモノを土砂と共に竜巻の如く、空高く巻き上げ二機のギアを覆い隠す。 周囲に飛び散る砂埃や破片と共に、バックラーブレードの刀身が宙を舞い墓標の様に地に突き刺さる。 霧坂は守屋が敗北したのではと息を飲むが、その不安は5つの轟音によって打ち払われる。 あの聞き慣れたリズムで打ち鳴らされた轟音は間違いなく守屋の両手両足を使った連撃だ。 「今のどうなったの…?」 霧坂は居ても立ってもおられず、落ち着かない様子でスタジアムに視線を向ける。 状況を察するに守屋はバックラーブレードを切り落とされはしたものの、お得意の格闘戦で矢神を圧倒しているという事になる。 しかし、あの八坂五指に数えられる実力者である矢神玲がこんなにも容易く、守屋に連撃を許すとは考え難い。 二人の様子をこの眼で確認したいのに巻き上げられた土砂が晴れていくが、あまりにもゆっくりでもどかしい。 「何あれ…?」 竜巻が晴れ、守屋達がぶつかり合った地点がクリアになり地に崩れ落ちた二機のギアが観客に姿を晒す。 八坂や宋銭の生徒だけで無く、観客全員がスタジアム全体からどざわめき声が静かに響いた。 「どういう事…?」 腰部を大きく歪ませ、両腕と右足。更に頭部を失い地に転がるギアが一機。 一刀両断の名の下、右肩から真っ二つに切り裂かれたギアが一機。 だが、矢神玲と守屋一刀の愛機である、リヴァーツとアイリス・ジョーカーでは無い。 肝心の二人は二機のギアの残骸の中心で背中合わせに構えを取り、周囲を警戒している。 「悪いな。お前の剣ごと、ぶった斬っちまった。」 「右腕を飛ばされるよりマシだ。」 純粋な力比べで戦いの火蓋を切って落とされた二人の決戦は違法ギアの乱入という形で急遽中断させられる。 此処に来てまさかの…いや、この騒ぎの首魁からすれば今日のこの時こそが、絶好のタイミングなのだ。 地区大会とは言え、多くの高校から新旧様々なスポーツギアが集まり、さながらギアの見本市の様相を示している。 正に選り取りみどりの状況。その上、この大会に参加したギアの殆どが各メーカーの修理工場への搬送準備中で コンディション以前にギアの搭乗すら困難で満足に抵抗が出来ない状態にあり、稼動可能なギアも数で押し込むのは容易い。 絶対有利の状況を待ち構えていた違法ギアの大群がスタジアムの外からブースターを吹かしながらスタジアムの中に侵入する。 次々に降り立つ違法ギア。リヴァーツのセンサーが48機のギアを捉える。 ついさっき、守屋と撃破した奴を合わせて団体50名様で態々、お越し頂いたという事になる。 「こんな夏真っ盛りによくもこれだけの数が集まったもんだ。違法ギアってのは、そんなに暇なのか?」 「ふざけやがって…何処のどいつだッ!!」 守屋は怒気を隠そうともせず、外部スピーカーをオンにして怒鳴り声を張り上げる。 「ヒャーハッハッハッハッハァッ!!」 下卑た笑い声と共に忘れたくても忘れられないモヒカン頭の男がアイリス・ジョーカーのモニタに表示される。 「久しぶりだなァ?矢神!それに守屋ァ!」 「貴様…二度ならず、三度までも俺を阻むか。」 この男のせいでアイリス・ジョーカーの実機訓練が遅れ、矢神との決着を後回しにされた。 そして、漸く待ち望んだ矢神と決着の日にまで横槍を入れて来るとなれば、怒りを通り越して殺意が芽生える。 「古坂か。何をしに来た?」 「こうもギアが揃ってるんじゃ、やる事ァ一つだけだろう?」 古坂機がスタジアムの外に指を向けると同時に爆音が鳴り響く。 爆炎が立ち上っている所に、工場への搬送予定のギアを積んだ輸送車両の駐車スペースがあった筈だ。 そこで何が起こっているかなど、態々、目にするまでも無い。 「少し見ない内にクズっぷりに磨きがかかったようだな?」 身勝手な奴だとは思っていたが、まさか違法ギアに身をやつす程の大馬鹿者だったとは。 ステレオタイプの小悪党のクズ野郎、此処に極まれり。短絡過ぎて笑えてくる。 「吼えるな!テメェ等には散々、恥をかかされたからなァ?テメェ等の命、ギアごと頂くぜ!!」 矢神はお前如きに何が出来ると呆れたように溜息を吐くが、守屋は此処に来て焦りを覚える。 「矢神サン、ヤバくないか?」 「馬鹿言え!雑魚が乗っかったギアがたったの48機、俺とお前なら楽勝ってなもんだぜ!」 矢神は数の不利など全く意に介する事無く、大声で笑い声を張り上げるが 守屋とて言われるまでも無く、この程度の連中に後れを取るなど微塵に思っていない。 「アイツも宋銭高校のギア部の関係者なんだろ?この事が協会に知れ渡ったら、宋銭のギア部は…」 悪質なルール違反があった場合、違反者が所属する教育機関へ3年間の活動停止命令が出されるのだが 今回のケースだと悪質なルール違反以前に完全な違法行為だ。宋銭高校の永久追放は免れない。 そして、高校を卒業したとしても、矢神自身の選手生命も完全に断ち切られる事になる。 「奴のせいで矢神サンと戦えなくなるなんて冗談じゃないぞ!アンタは俺の目標なんだ!あんな下衆に邪魔をされてたまるか!」 「はっはっはっは!嬉しい事を言ってくれる奴だな。」 笑っている場合かと怒鳴りたくもなるが、矢神はあくまで泰然とした態度を崩さない。 「色々、説明は省略するがアイツならとっくに退学喰らってるからな。部外者も良い所だぜ? 要するに神聖な地区大会の決勝戦に空気を読まずに乱入して来た阿呆な犯罪者Aに過ぎないのさ。」 「余計な心配をさせてくれる…だったら最初に言っておいてくれ。」 守屋はリラックスした面持ちで鋼拳を構え、矢神は斬馬刀を肩で担ぎ、違法ギアの大群に向き直り古坂達を手招きする。 「さて、折角の夏だってのにやる事の無い暇なニートども。遊んでやるから、纏めてかかって来いよ。」 「テメェ等ァッ!!」 古坂は口角から唾を飛ばし、吼えるが付き合っていられない。 「待ち受けるのは性に合わない。先手はもらうぞ。」 守屋は獣じみた脚力で手近な敵に肉迫し、加速の勢いに乗ってリヴァイドの胸部目掛けて飛び膝蹴りを放つ。 着地の寸前にナイツの背部に回し蹴りで此方に迫りつつあるサイ・メタル目掛けて吹き飛ばす。 もつれ合いながら倒れ込む二機のギアを膝蹴りの際、リヴァイドから奪い取ったロングソードで串刺しにして地に縫い止める。 「シールドチャクラムセット」 アイリス・ジョーカーは守屋の命令に従い、左腕のシールド内に収納している有線チャクラムを高速回転させ主の攻撃命令を待つ。 守屋は獲物を喰らえと短く言を発し、チャクラムは嬉々としてルナメタルの頭部を貫きメイレーンの脚部に絡み付く。 敵機が体勢を崩したと見ると力任せに引きずり回し自機の元まで手繰り寄せる。上半身を踏み潰し、チャクラムをシールドに収納。 守屋は足元に転がる5機の残骸を一顧だにせず、次の獲物へ向かって駆け出した。 「守屋の奴め…後何機居ると思っているんだ。」 矢神は守屋の戦いを見て心底呆れ果て、仕方の無い奴だと苦笑する。 見ていて気持ちが良い程の瞬殺っぷりだが、あれでは機体に負担がかかり過ぎて、敵が全滅するよりも先に此方が自滅してしまう。 「ま、この程度の雑魚相手に後先考えたり気張ったりするのもバカバカしいか…」 矢神は斬馬刀を水平に構え違法ギアの群れに飛び込み、斬馬刀と共に機体を一回転。 リヴァーツのパワーに遠心力と斬馬刀の重量を重ねた剛撃。 大地と水平に円を描くようにして振り払われた刃渡り8mの斬馬刀は一撃で7機のギアを横一文字に引き裂く。 「折角の雑魚狩りのボーナスタイムだ。自分らしく大暴れさせてもらうぜ!!」 チラリと守屋の方を見ると全身から緩衝材を吹きながら、二機のイーゼルと対峙している。 まるで、後先なんて知った事かと言わんばかりの戦いっぷりだ。 「これで8対8のイーブンか。まだまだ守屋に負けてやれないからな!」 矢神は新たな標的を定め、斬馬刀を振り下ろし次々に敵を葬っていく。 そして、この騒動の張本人である古坂は戦慄するしか無い。 どんな猛者でも、一瞬で鉄屑に出来る程の数を掻き集めて来たというのにも関わらず 一瞬で半数近くが撃破され、こうしている間にも仲間の反応が消失している。 「テ、テメェ等!!相手は近接戦闘仕様のMCI搭載型だぞ!距離を取れ! あいつ等のギアは飛び道具が無い!!空から撃て!撃ちまくって蜂の巣にしろ!!」 古坂のヒステリックな叫び声を聞いて、違法ギアの大群は慌ててブースターを吹かし宙に逃げ出そうとする。 だが、違法ギアとは言え所詮は無改造のスポーツ用品に過ぎず、最高速を達するまでのタイムラグが長い。 そして、鈍重な動きで宙に逃げようとする敵を、この二人が見逃す筈も無い。 「離脱などさせるかッ!!」 矢神は斬馬刀を投擲。ブーメランのように弧を描きながら4機のギアを地に叩き墜とす。 戻って来た斬馬刀を握り直し、地面に突き刺し矢神は嬉々として牙を剥き出す。 「リヴァーツに飛び道具が無い?それは何時の情報だ?」 リヴァーツの手首、腰、大腿部のカバーが開く。各所に2本のクナイが仕込まれている。 都合12本のクナイが上昇し切れていない7機のギアに突き刺さり、内4機が墜落。 損傷により高度を維持出来ないでいる3機のギアは守屋機から再び放たれたチャクラムで 数珠繋ぎにされ、大地に引き摺り堕とされる。 「やっと半分ってところか?」 「残りは空の上か…逃がすのも癪だな…」 守屋は悔しげに歯噛みするが、逃亡の心配をするまでも無い。 此方が手を出せないと知るや否や、ライフルから放たれた砲弾が雨霰と降り注ぐ。 「クソッ…最近、こんな展開ばっかだなッ!!」 「当たり所が悪ければ一撃で沈むぞ、絶対に喰らうなよ!!」 対アームドギアを前提に設計されたライフルは弾速、火力、命中精度と全ての面で競技用ライフルを遥かに凌駕する。 守屋は両腕のシールドを前面に展開して逃げ回るが、エネルギー切れ、弾切れを起こすまで避けられる筈も無い。 矢神は見ていられないと、軽やかなステップで銃撃の雨の隙間を縫うように守屋機の傍に駆け寄り斬馬刀を旋回させ銃弾を弾き返す。 「もう何でも有りだな、アンタは…って言うか、警備のギアは何をやっている!!」 情けない事、この上無いが矢上の非常識な能力と、高性能な警備用のギアに頼らねば守屋には生き残る術が無い。 せめて、相手が地上に降りてくれれば撃たれる前に潰す事も出来るが、生憎と相手は空に居る。 攻める事は出来ないが、さりとて己の身一つでは守る事すら侭ならず、不甲斐ない自分に苛々する。 「まあ、落ち着け。警備よりも頼もしい天の助けがお出ましだ。」 矢神機に倣って、空を見上げると紅の閃光が空を切り裂いていた。 「あのブースターの残光は…加賀谷部長!?」 「流石のお前達でも対空戦は分が悪かろう?此処は助太刀させてもらう。」 しかし、流石の加賀谷とは言え団体戦の決勝を終えた直後で機体のコンディションは決して良好とは言い難い。 右足は焼け爛れ、左腕の装甲は欠落し、右肩の装甲が切り落とされ全身が薄汚れており、満身創痍の体を為している。 「無茶です!機体のコンディションが悪すぎます!」 「ああ。絶不調過ぎて逆に絶好調極まる。 チマチマと少数を相手に出来る余裕は無いのでな。全員、まとめてかかってくると良い。」 「そんなボロボロのギアで何が出来る!八坂五指だか十指だか知らねぇがッ!!」 加賀谷はブースターを最大出力で敵陣に切り込み、ソードライフルを両手に舞う。 「ならば、これを機会に知っておけ。」 まさに疾風迅雷。ある者は斬られ、またある者は刺され、そして撃たれる。 加賀谷は眼前の敵を一瞬で背後へ抜き去り、全機のブースターを破壊し地に叩き落す。 「矢神、守屋。墜としたギアが客席を巻き込まないように対応を頼む。」 「あ、後先考えてから墜として下さい!!」 次々に墜落して来るギアに肝を冷やした守屋は慌てて、チャクラムを放ち、安全な場所に釣り上げる。 とは言え、空戦が出来る加賀屋の登場で古坂達は地上の守屋達を相手にする余裕は無くなった。 一撃必殺の威力を誇る銃弾の雨に晒される事に比べたら、幾分か気楽なものだ。 それでも、今度は人の命を預かる場面になった為、まだまだ気を抜く事は出来ないが。 「一応、考えなしでは無さそうだ。客席に落ちそうな奴はそう多く無い。」 そう言うと矢神は斬馬刀を構え、客席に堕ちそうな違法ギア目掛けて投擲。 斬馬刀は違法ギアを捕らえ、主人の元へと帰還。矢神機は右腕で斬馬刀を掴み、左腕で違法ギアの首を握り潰す。 加賀谷は次々に襲い掛かる銃弾に目もくれず一直線に敵陣に切り込む。 戦闘用ライフルの威力は確かに驚異的ではあるが、スポーツギアにその反動を押さえ込めるだけのパワーは無い。 撃っている本人達は狙っているつもりでも実の所、照準など全く合っていないに等しく、回避運動を行う必要性が全く無い。 被弾イコール運が無かった程度の流れ弾に恐れる暇があったら一機でも多く地に叩き落とした方が余程、安全だ。 「アームドギア用の武器がスポーツギアに使いこなせるわけが無かろう?選手としても違法ギアとしても三流以下だな。」 攻撃力だけに気を取られた結果がこの様なのだから呆れるしか無い。 この数で内田のスナイパーライフルを持ち出されでもしたら流石の加賀谷でも尻尾を巻いて逃げ帰る所だろう。 スポーツギアに対して一撃必殺の威力である事には違い無いのだから。 「クソッタレ!!これならどうだァ!!」 古坂は劣勢と見るや否や、半ばヤケクソ気味にライフルの銃口を客席に向ける。 「これなら絶対に外れないだろ?お前のせいで多くの人間が死ぬ事になるんだ。ザマー見ろ!!」 「霧坂。出番だ。」 加賀谷は臆する事無く、地上に待機している霧坂に戦闘参加の合図を送る。 地上から爆音が鳴り響くと同時に、古坂機の左腕がライフルと共に消し飛ぶ。 「あ、新手だとッ!?」 「団体戦の選手なものでな。短期戦闘は苦手なんだ。」 形勢逆転も僅か一瞬。いや、形勢逆転にすらなっておらず、加賀谷はしれっとした態度で肩を竦めた。 「霧坂…?」 そして、守屋はブクレスティアの搭乗者が内田だとばかり思い込んでいただけに少なからず驚いていた。 八坂に内田以上の砲狙撃戦が出来る選手が居ない事もそうだが、霧坂に曲芸じみた狙撃が出来ると思っていなかったからだ。 そんな守屋の疑い半分、驚き半分の感情を改めさせてやると言わんばかりに霧坂は立て続けにトリガーを引き絞る。 轟音、頭部を失い墜落。轟音、ブースターが破砕され墜落。轟音、コクピットに直撃。 ブクレスティアの性能もさる事ながら、その専用スナイパーライフルの威力はルールギリギリの火力を持っており コクピットブロック周辺はさて置き、スポーツギアの装甲程度なら簡単に破壊出来るという点に関しては戦闘用の砲弾と大差は無い。 不可避の魔弾の恐ろしさは守屋自身、その身で嫌というほど味わっている。 「へっへー!どうよっ!!」 我ながら上等な出来だと、霧坂は満足そうな笑顔とVサインをアイリス・ジョーカーのモニターに送る。 「やるな…いや、大したもんだ!」 あまりにも良い笑顔をするものだから、守屋も釣られて笑顔で賛辞の言葉を霧坂に送る。 完全に流れは守屋達に傾いており、50機以上の違法ギアも残るは片手で数える程度で 外を襲撃していたグループも警備のギアに粗方鎮圧されたようで、目立った被害は無いらしい。 「冗談じゃねぇぞ、クソったれぇ!!」 大群を引き連れて来たと言うのにも関わらず、何一つとして収穫は無く手持ちのギアは悉く破壊されてしまった。 楽な仕事のついでに矢神と守屋に落とし前を付ける腹積もりも悉く叩き潰されては古坂の面目丸潰れだ。 奪取は無理でもせめて、一機くらいは破壊していかなければ腹の虫が収まらない。 だからと言って、八坂五指に数え上げられる加賀谷と矢神に太刀打ち出来る筈が無い。 火器と左腕を失った状態で守屋に戦いを挑むのも、これまた無謀極まる。 勝てそうな相手といえば、狙撃型のギアに乗る名前も知らない女。 古坂はダガーを引き抜き、霧坂機目掛けて機体を急降下させる。 「焼け死ねやアアアアッ!!」 古坂機の刀身が鈍い光を放つ。 「ビームの残光!?」 守屋は見覚えのある光の正体に逸早く気付きアイリス・ジョーカーを走らせる。 以前、守屋に極上の恐怖を叩き込んだ光だ。トラウマの克服なんてものは出来ていない。 第一、普通に生活していればビーム兵器と出くわす事などまず無いのだから克服のしようも無い。 「疾く…もっと疾く走れ!ジョーカーッ!」 だが、身体が勝手に…否、守屋の全てが疾く走れ。奴よりも疾く駆け抜けろと己の身体と、アイリス・ジョーカーに命令する。 己の力だけで戦い続けて来た守屋が初めてアイリス・ジョーカーの力を求め、アイリス・ジョーカーは初めて守屋に力を貸し与える。 一瞬にして二機の間に滑り込み、古坂機のダガーが霧坂機のコクピットに突き立てられるよりも疾く我が身を盾とすべく身構える。 アイリス・ジョーカーの左腕が肩口からバッサリと斬り落とされるが、霧坂機には届いていないのだから問題は無い。 ビーム兵器の何が恐ろしいかなど霧坂が知る必要は無いし、何より知って欲しいとも思わない。 「霧坂に触るな…殺すぞ!」 「だったら、テメェを殺してやらぁ!!」 予定は狂ったが守屋機のコクピットは眼前にあり、振り落としたダガーを斬り上げるだけでケリが付く。 「阿呆が…調子に乗るなッ!」 だが、ダガーの攻撃力が高かろうとギアの出力と格闘戦の適性はアイリス・ジョーカーの方が圧倒的に上なのだ。 古坂機の右腕を捻り上げ、引き千切り、手刀で首を刎ね飛ばすが、矢神との決着を邪魔された怒りはこの程度では収まらない。 「アイリス・ジョーカー、フルドライブッ!」 アイリス・ジョーカーは主の命令に従い、ジェネレーターから正常に稼動しているとは思えない程の重低音を吐き出し 胸部の排熱口からは甲高い音を立てながら白煙を噴き、想定外の負荷にフレームが鈍い音を立てながら振動する。 重なり合う三つの異音は主である守屋一刀の怒りを体言するアイリス・ジョーカーの獰猛な唸り声とでも言うべきか。 本来であれば、こんな早期にそれも八坂が誇る未完成の魔改造システムを使う予定は無かったが使わずにはいられない。 更に自身に降り掛かる負担は大きいが、工場送りという結末に変更は無い。ならば全身全霊を持って打ちのめすまでだ。 「三回死んで、幼児からやり直しやがれッ!!」 辺り一面と自身に巨大な亀裂が走る程、激しく大地を踏み貫くと同時に、古坂機を慟哭と共に撃ち貫く。 バズーカ砲の直撃に匹敵する程の衝撃に古坂機は上半身を粉々に粉砕され周囲に上半身だったモノをばら撒く。 流石にコクピットブロックは頑丈に出来ているらしく、残念ながら古坂を殺すには到っていない。 「霧坂、無事か?」 先程は横目で軽く確認しただけだ。守屋は霧坂機に向き直り、しっかりと無事を確認する。 所々、破損はしているものの襲撃の際に受けた傷では無く、試合中に受けた傷があるだけだ。 「守ってくれて、ありがと。私はヘーキだけど、カッコ悪いトコを見せちゃったね?最後の最後でヘマしちゃった。」 霧坂はバツが悪そうに苦笑するが、普段通りの霧坂の様子に守屋は安堵する。 「無事なら、それで良い。」 安堵しながら何故、霧坂の事で感情を振り回されたのだろうかと首を傾げる。 首を傾げるとフルドライブの反動のせいで消し飛んだ、肘から先が粉々になった右腕が眼に映る。 その上、矢神との決着も付かず仕舞いに終わってしまった。何もかもが大失敗で辟易する。 「ま、決着は州大会でだな。」 苦悩する守屋を見て、矢神は苦笑いしながら斬馬刀を担ぎ直し、宋銭高校のゲートへと引き返す。 守屋を庇いながら戦っていたのにも関わらず、リヴァーツはほぼ無傷で足取りも軽い。 立ち去る矢神の後姿を見届けながら、改めて圧倒的な実力差を嫌と言うほど思い知らされる。 「今のままでは矢神サンに勝てないな…」 「州大会まで3ヶ月もあるんだし大丈夫だって!それよりも今は無事に騒動が片付いた事を素直に喜ぼうよ!」 「そうだな…皆が無事で良かった。」 確かに、見知った者の中で何かしらの傷を負った者は一人としていない事は素直に嬉しく思う。 とは言え、ビーム兵器が一介の高校生ですら簡単に手に入る現状に妙な不気味さを感じ 未だに拭えないビーム兵器に対する恐怖心から人知れず、夏の暑さとは関係の無い汗を垂れ流すのであった。 ↓ 感想をどうぞ(クリックすると開きます) +... 名前
https://w.atwiki.jp/sousakurobo/pages/315.html
窓の外の景色を眺め、溜息一つ。自分の置かれている立場を再確認し溜息二つ。 「なんで霧坂と居るとこうなるんだ?」 「いや、それ言いがかりだから。」 現在、自分達の置かれている状況について、声を潜めながら言い合いを始めるが この状況、霧坂のせいと言うのは、流石に言いがかりだろう。多分、恐らく。 何故、この様な事になったのかを知るには時間を少々、時間を遡らなくてはならない。 統合歴329年7月9日の放課後、部活を追え帰路に着く八坂高校スポーツギア部の面々。 そして、宋銭高校スポーツギア部の二年生、矢神玲。 「それにしても、今年の州大会、警戒する相手は岸田学園の月城だけだと思っていたんだが まさか、こんな近所に強敵が出現するなんてな…今年の大会も一筋縄じゃいきそうにないな!」 矢神は守屋の背中をバシバシと叩き、豪快に笑うが実力差は天と地程の差がある。 何せ本来の得物は持ち出さず、互角の戦いが出来るようにと盛大に手加減されているのだから笑えない。 「部活に精を出すのも良いけど、もうすぐ期末試験だよ?二人とも大丈夫?赤点とか留年とか笑えないよ?」 平和な日常の一時が内田燐の一言で脆くも崩れ去り、守屋は押し黙り、矢神の顔は蒼白になった。 八坂高校に転入してから過ごす日々は矢継ぎ早に過ぎ去り、陰影矢の如しとはよく言ったものである。 ギア部の活動は忙しく、父親から与えられた課題を一日も欠かす事無くこなして来た。 要するに期末試験目前だと言うのにも関わらず、勉強に時間を費やす事が出来なかったという事だ。 授業に着いて行けないって事は無いが、赤点や留年といった不名誉の物だけは如何にか避けたい。 校内での守屋の評価は人の形をした凶暴な何か。 守屋の転入当時に起こった『教室棟血の海事件』は未だに尾を引いている。 これで成績まで最底辺で、それが知れ渡ったら…想像しただけで眩暈がする。 そう言えば、何かと頭を悩ませて来た霧坂茜華が妙に大人しい気がする。 きっと眩暈がしたから、そう感じたのだろう。そして、ふと霧坂の事を考えると…駄目だ。嫌な予感しかしない。 何処で道を踏み外してしまったのだろうか…八坂に引っ越して来たから?霧坂と知り合ってしまったから? 霧坂がクラスメイトだからか?霧坂の誘いに乗ってギア部に入ったからか? (…って、全部、霧坂じゃないか。) しかし、今は霧坂の凶行に恐れている場合じゃない。留年の方が霧坂よりも恐ろしいのだから。 何はともあれ、明日から試験休みだ。今まで遅れていた分を取り戻さなくては。 「守屋君って勉強得意?何だかんだ言って真面目だし得意だよね?お願いだから得意と言って!そして、私を助けて!!」 いつもの勘の良さは何処へ行ったのやら、この暗い表情を見れば分かるだろうよ、ブルータス。 「授業に着いていけないって事は無い程度のレベルだぞ? 取り合えず、試験休み中の間は図書館で勉強するつもりだけど、一緒に来るか?」 珍しく弱気で不安げな霧坂の顔を見たせいで気が大きくなってしまったのだろう。 それ故の気の迷いだ。きっとそうだ。でなければ、罷り間違ってもこんな事を口走る筈が無い。 何事が起きても冷静に対応しなければならない。 「有難う!大好き!愛してる!」 さもなくば、この様に頭がお花畑な女に抱き付かれてしまうのだ。 それも天下の往来で。これは何か?罰ゲームか? 「ちょ!テメェ!抱きつくな!離れろ!」 背中に良い感じのモノが引っ付いて、非常に良い具合だなーとか思ってしまった。 健全な男子高校生相応の反応をするが場所が場所だし、非常に宜しく無い状況だ。 「そんなに照れなくても良いじゃん?」 だと言うのにも関わらず、霧坂にとっては何処吹く風だ。 何も気付いてないのか?ギアが好き過ぎて脳まで鋼鉄になったのか? 「天下の往来で変な事をするな…って言うか、場所を考えろ。」 「つまり、抱き付くなら人気の無い所で…」 「人気があっても無くても俺に抱き付くな。気持ちが悪い。」 霧坂が馬鹿な事をほざく前に切り捨てる。 「うわ、ひっど!!」 「知るか。」 半ば暴言気味の苦言を吐くまで、人の嫌がる事を止めないお前が一番酷いという事に気付いてくれ。 普段通りの守屋と霧坂の日常会話である。 そして、現在…統合歴329年7月11日 守屋は霧坂を連れ立ってセントラルシティの図書館へ勉強をする為に訪れていた。 土曜日という事もあってお互い私服だが、何せ家が目の前だ。今更、珍しがる事も無い。 それよりも現在、守屋達が置かれている現在の状況である。 「大体、違法ギアと私に何の因果関係があるって言うのさ?」 図書館…厳密には図書館の下のフロアに店舗を構える銀行を目的とした違法ギアと強盗にビルごと占拠されてしまったのだ。 完全にとばっちりを受ける形になってしまい、僕達は何も関係ありませ~んと言える状況でも無い。 何せ、図書館の利用者達と一箇所に集められ銃火器を突きつけられているのだから関係無いも何も 完全に当事者で被害者に成り下がっているのだから、どうしようもない。 「そんな事よりも、守屋君…」 「今はまだ無理だ。」 前回同様、今すぐ片付けろッ!的な事を言いたいのだろうが銃火器で武装した強盗連中が4人。 せめて一箇所に固まっていてくれるのなら、秒殺してやるのにと思うが、此方に火器を突きつける奴が2人。 残りの2人は其々離れた位置に立っている。丸腰で一体、何をしろと言うのやら。 正面の2人を撲殺すると同時に火器を奪って残りの二人を射殺するか?無理だ。生憎、火器の類は使い方を知らない。 「いや、そうじゃなくて暇だから勉強したいんだけど。」 生きるか死ぬかの瀬戸際にある状態で何故、お前はそんなに余裕なんだと 問い詰めるまでも無く、聞いてもいないのに余裕の根拠を語り出した。 「今回も守屋君が如何にするでしょ?だったら先を見越して勉強しておかないと。ね?」 成る程、そういう事か。俺が如何にかするのか。ふざけんな。 こいつ等を無力化しても外には4機の違法ギアが居る。 他のフロアにもこの類の連中が銃火器を持ってウロウロしているだろう。如何にか出来てたまるか。 一介の高校生である守屋に出来る事は、それ程多く無い。寧ろ、こんな状況なのだから何もしない事が正解だ。 「俺の出る幕じゃない。専門家に任せるべきだ。」 「ま、いっか。」 そして、霧坂も守屋の活躍が見たいのでは無く、アイリス・ジョーカーを初めとするMCIギアの活躍を見たいのだ。 変に煽って怪我をされたり、死なれたりしても後味が悪いし、アイリス・ジョーカーの専属パイロットを失うのは避けたい。 今回は自重するかと思い至るが… 守屋にとって見慣れた円柱の物体が図書館の中に投げ込まれた。 「何、アレ?」 「馬鹿が先走りやがって…スタンフラッシュだ。これで口と鼻を押さえていろ。」 投げ込まれたスタンフラッシュは爆音と強烈な閃光を放ち、図書館の中に催涙ガスを撒き散らす。 守屋は霧坂が閃光に晒されないよう影になり耳を押さえてやる。 鼻腔と目を刺激するが普段の訓練のお陰で大したダメージにはならない。 爆音ばかりはどうにもならないが、平衡感覚を失っても動けるように鍛えられている。 「目を閉じて大人しくしていろ。」 閃光と爆音が鳴り止むと同時に短く言を発し此方に銃口を向けている二人組に向かって駆け出す。 つい先程、専門家に任せると言ったばかりなのに何故、守屋が戦おうとしているのか。 正義感や使命感のようなモノが生まれたというわけでは無い。どんなに強かろうと、守屋は一介の高校生に過ぎない。 ギアがあるなら未だしも生身で、それも銃火器を装備した奴等に戦うなんて何が何でも避けたい。当然、命だって惜しい。 (専門家なら敵の武装くらい確認しろよ…) 投げ込まれたカウンターテロ兵器は顔隠しの為に使われていたガスマスク付きのヘルメットによって全く効果が無かったのだ。 これでは今から突入しますよ。と声高に宣言しただけに過ぎない。 そして、人質を数は20名余。2~3人くらい見せしめに殺される危険性が非常に大きい。 自分が死んだり、他人が自分の目の前で殺されるなんて事態は何がなんでも避けたい。 (幸い、連中の意識は突入予定口に向かっている…これなら、俺でも…) 背後に忍び寄り延髄に手刀を一撃、返す刀でも二人目の強盗に同じく延髄目掛けて回し蹴りを放つ。 二人沈めたところで警官隊が10名程突入。遅すぎる上に一方方向から大人数で押し寄せるとは一体どういう了見だ。 守屋は辟易しながら3人目の敵に向かって駆け出す。 ガスが充満した図書館は視野が悪い上に遮蔽物の多いお陰で、派手に走り回っても気付かれないのがせめての救いか。 「う、動くな!人質を殺すぞ!」 慌てふためき狼狽するが警官隊は、そんなテロリストもどきの言葉に耳を貸すわけも無くジリジリと距離を詰めていく。 「や、野郎ども!見せしめだ!4~5人殺っちまえ!!」 だが、いつまで経っても銃声は鳴らない。 「は、早く殺れよ!!」 銃声の代わりに何かが空を裂く音と、肉が肉を打つ音、そして、自身の骨が軋む音が聞こえた所で意識を失った。 「お前で最後だ。」 崩れ落ちた男を睥睨し肩を竦める。 組織化された違法ギアとは言え、テロリストとは違う。 何らかの手段で手に入れたギアと火器の力ではっちゃけているだけだ。 第一、テロリストならスポーツギアを使用する事など絶対に有り得ない。 守屋一刀の父親、守屋剣の言葉を借りるのならば、スポーツギアは出来の良い玩具で兵器では無い。 こんな玩具を商売道具に使うくらいなら、売り飛ばしてブラックマーケットからビームダガーの一本でも買った方がマシだ。 窓の外では違法ギアの連中が使っていたアクト・メイレーンが見るも無残な残骸になり打ち棄てられていた。 三笠慶のクランや、加賀谷望のスカーレットと同時期に開発された最新鋭のスポーツギアで 違法ギアにしてしまうには勿体無い機体だが、いとも容易く撃破されている。 やったのは警官隊のパトロールギアのエイテンである。 パトロールギアなどと名を打ってあるが白黒のカラーリングをしているだけで、中身はれっきとしたアームドギアだ。 傷一つ付いていないエイテンはビームトンファーを片手に周囲を警戒している。 最新鋭のスポーツギアであっても、警察が使う数世代前のアームドギアにすら傷一つ負わせる事無く容易く撃破される。 それを分かっていながらスポーツギアでテロ行為を行うなど自殺行為以外の何でも無い。 だから、世間はスポーツギアによる犯罪者を違法ギアと呼び、アームドギアによる犯罪者をテロリストと呼ぶ。 そして、世間は何処と無く違法ギアを舐め腐っている。 ニュースでは警察のギアに一方的に破壊されるシーンしか映されない上に 守屋のように一般人に鎮圧される事もそれ程珍しい事では無く、何も守屋が特別というわけでは無い。 勿論、一つ間違えたら大惨事になりかねない事の方が多く警察や軍としては 喜び勇んで違法ギアと戦うのでは無く、さっさと通報してくれと民間人に要望を出すのだが 大抵の場合は事が終わってからの通報になる為、地域によっては残骸回収業者扱いされている事もある。 「それにしてもビーム兵器は好きになれんな…」 機体を穴だらけにされて地に伏しているアクト・メイレーンを見て呟いた。 奴はどんな気分でビームトンファーに貫かれたのだろうか? 普段ならば違法ギアの搭乗者の事など歯牙にもかけないのだが 同じビーム兵器を受けた者として妙なシンパシーを持ってしまったのだ。 どうも八坂高校襲撃事件以来、ビーム兵器を見ていると嫌な気分になる。 簡易型とは言えビーム兵器の恐ろしさを一度は我が身を持って体験している。 (やっぱり、アレからだよな…まずいな。完全にトラウマになっている。) 冷静になって自己分析をするが矢張り、怖い物は怖い。 背筋に嫌な汗が流れ、心臓がけたたましく鼓動する。 「霧坂、終わったぞ。帰ろう。」 ビーム兵器を持ってうろうろしているギアの近くに居たくないと心の中で付け足した。 「うん…守屋君、顔色悪いけど大丈夫?」 大丈夫じゃないから大丈夫な場所に帰りたいんだ。 なんて、口が裂けても言える筈も無く、霧坂からに背を向け大丈夫だと後手に手を振る。 お互い、色んな事を深く追求しあえる仲でも無い。 守屋が背中で大丈夫だって事にしておいてくれと語っているような気がして 何も言わずに霧坂の定位置である守屋の左隣に並び帰路に立つ。 教科書、ノート、参考書を開き守屋の自室で二人並んで試験勉強を始める。 違法ギアどものせいで今日はまともに勉強が出来ていない。 命は大切だが、この時期の高校生にとって試験の点数も同じくらい大切だ。 「そもそも…図書館なんかに行かず、最初からウチでやれば良かったんだよな?」 最初から家で大人しくしていれば変な事に巻き込まれ時間を浪費せず 嫌なモノを見て、嫌な気分にならずに済んだのだ。 「だけど、守屋君が居たから無事に終わったんだよね。 だから、今日はあの時間に図書館に居たのはきっと良い事だったんだよ。」 外の違法ギアはエイテンが周囲に被害を出す事無く無力化し 銀行や他のフロアに居たテロリストもどきも突入部隊により制圧され人質を無事に救出されていた。 しかし、間抜けな事に図書館のフロアだけは突入部隊が大失態を犯してしまったのだ。 運良く守屋がそれに逸早く気付き、行動を起こしたお陰で他のフロア同様、何事も無く片付いたのである。 守屋が居なければ図書館フロアでは大惨事になっていた可能性もある。 「ま、結果オーライではある…か。」 元々は他人を守る為にと持たされた力で人を救う事が出来た。 嫌な思いはしたが、自分の力で自分のやった事で救われた人が居るのなら、確かにそれもアリだ。 「今日は此処までにしておくか。色々ありすぎて勉強どころじゃないだろ?」 守屋は霧坂のペンが全く進んでいない事に気付いて勉強を中断する事にした。 流石の霧坂でも今日の出来事は余程、堪えたと見える。 それに守屋もビーム兵器を目にしてからと言うものの何処か落ち着きが無く 二人共、とてもでは無いが勉強をしようという気にはなれなかった。 「そうだね…うん。そーする。止めた!止めた!何か面白い番組やってないかなー?」 (勉強しないなら帰れよ。) 「あ、守屋君だ。」 自室の壁には図書館の中でテロもどき相手に大立ち回りをする守屋一刀本人の姿が映し出されていた。 そして、八坂高校襲撃事件当時の映像に切り替わり、今度はアイリス・ジョーカーが暴れる姿が。 「これは来年の入学者と、ギア部の入部希望者が増えそうだねぇ?」 「こんな受難体質の高校に入学なんて自殺行為以外の何でも無いだろうが。」 愛機がビームコートダガーで切られるシーンに切り替わる前にモニターの電源を落とす。 一日にニ度もビーム兵器を見る気にはなれない。 「ヒーローの前には必ず困難が立ちはだかるように出来るているんだよ。 でね。それを痛快に打ち砕いてハッピーエンドで終わらせるからヒーローなんだよ。」 どうやら、霧坂の目には敵を痛快に打ち砕いているように見えるらしい。 これまでに打ち砕いて来た困難とも言うべき戦いをフラッシュバックさせるが… 今ではすっかりビーム兵器恐怖症だ。何がハッピーエンドなものか。 だが、それすらも霧坂にとってはヒーローに立ちはだかる困難の内の一つになるのだろう。 今更、言い合いをしても仕方が無いので、あーそうかい。と肩を竦めて降参するしか無いのである。 ↓ 感想をどうぞ(クリックすると開きます) +... 名前
https://w.atwiki.jp/xbox360score/pages/1055.html
Transformers War for Cybertron 項目数: 総ポイント:1000 難易度: A Prime Problem Complete Defend Iacon on any difficulty.任意の難易度でチャプター「Defend Iacon」をクリアする 10 The Last Prime Complete Kaon Prison Break on any difficulty.任意の難易度でチャプター「Kaon Prison Break」をクリアする 10 You Got the Touch Complete To the Core on any difficulty.任意の難易度でチャプター「To the Core」をクリアする 10 The War Within Complete Aerial Assault on any difficulty.任意の難易度でチャプター「Aerial Assault」をクリアする 10 The Harder They Fall Complete One Shall Stand on any difficulty.任意の難易度でチャプター「One Shall Stand」をクリアする 10 Paging Ratchet Revive 5 Autobot soldiers in Defend Iacon.チャプター「Defend Iacon」で5体のオートボットの戦士を復活させる 15 Beak Breaker Shoot the 3 Hidden Laserbeaks throughout Kaon Prison Break.チャプター「Kaon Prison Break」で隠れている3体のコンドルを狙撃する 15 Slugfest Save the Slug before it is executed in To the Core.チャプター「To The Core」でSlugを処刑される前に救出する 15 Powerglide Performer Fly through the coolant tunnels in 23 seconds in Aerial Assault.チャプター「Aerial Assault」でcoolant tunnelsを23秒以内に通過する 15 First We Crack the Shell... Get smashed by Trypticon's hand as he falls into the energon goo in One Shall Stand.チャプター「One Shall Stand」で落下するダイナザウラーの最後の一撃を喰らう 15 Autobot Recruit Autobot Campaign Complete (Easy).難易度イージーでオートボットキャンペーンをクリアする 15 Autobot Commander Autobot Campaign Complete (Medium).難易度ミディアムでオートボットキャンペーンをクリアする 30 Autobot Prime Autobot Campaign Complete (Hard).難易度ハードでオートボットキャンペーンをクリアする 45 Dark Awakening Complete Dark Energon on any difficulty.任意の難易度でチャプター「Dark Energon」をクリアする 10 Starscream's Brigade Complete Fuel of War on any difficulty.任意の難易度でチャプター「Fuel of War」をクリアする 10 The Fall of Iacon Complete Iacon Destroyed on any difficulty.任意の難易度でチャプター「Iacon Destroyed」をクリアする 10 The Secret of Omega Supreme Complete Death of Hope on any difficulty.任意の難易度でチャプター「Death of Hope」をクリアする 10 Victory is Mine Complete The Final Guardian on any difficulty.任意の難易度でチャプター「The Final Guardian」をクリアする 10 Your Lucky Day Kill all but 1 of the neutral prisoners in Dark Energon.チャプター「Dark Energon」で囚人を1人残して皆殺しにする 15 Thief in the Night Find and disable all security trip-wire switches in Fuel of War.チャプター「Fuel of War」でセキュリティ用トラップのスイッチを全て探し出し破壊する 15 Chaos Bringer Destroy the planets in the Stellar Galleries in Iacon Destroyed.チャプター「Iacon Destroyed」でStellar Galleriesの惑星模型を全て破壊する 15 Motormaster! Race across the Chasm Bridge in 33 seconds in Death of Hope.チャプター「Death of Hope」でChasm Bridgeを33秒以内で走破する 15 Devastator! Destroy all cover in the arena in The Final Guardian.チャプター「The Final Guardian」で闘技場の壁と柱を全て破壊する 15 Decepticon Grunt Decepticon Campaign Complete (Easy).難易度イージーでディセプコンキャンペーンをクリアする 15 Decepticon Seeker Decepticon Campaign Complete (Medium).難易度ミディアムでディセプコンキャンペーンをクリアする 30 Decepticon Warlord Decepticon Campaign Complete (Hard).難易度ハードでディセプコンキャンペーンをクリアする 45 Till All Are One Complete both Campaigns (Any Difficulty).任意の難易度で両方のキャンペーンをクリアする 30 Brute-a-kiss! Ignite a Brute's back 5 times in Campaign or Escalation. キャンペーンかエスカレーションでBruteのバックパックを5回発火させる 15 Footloose and Fancy Free Destroy a Jet Soldier's foot thruster 5 times in Campaign or Escalation.キャンペーンかエスカレーションでJet Soldieの足のスラスターを5回破壊する 15 That's No Mirage Headshot a Cloaker when it is invisible in Campaign or Escalation.キャンペーンかエスカレーションで透明になっている敵をヘッドショットする 15 Targetmaster! Kill 2 Snipers in 5 seconds in Campaign.キャンペーンで5秒以内に2体のスナイパーを倒す 15 There Are Parts Everywhere Multi-Kill 3 car soldiers at once using an explosive weapon in Campaign or Escalation.キャンペーンかエスカレーションで爆発武器を使ってcar soldierを3体同時に倒す 15 Blast-arachnia! Destroy 100 Spiders in Campaign or Escalation.キャンペーンかエスカレーションで100体のスパイダーを破壊する 15 Fire in the Sky Melee-kill a Jet Vehicle in the air in Campaign or Escalation.キャンペーンかエスカレーションで空中のジェットビークルを殴って倒す 15 Friends to the End Finish any level in Co-Op.任意の難易度でCo-Opをクリアする 15 Unlikely Allies Finish any level in Competitive Co-Op.任意の難易度でCompetitive Co-Opをクリアする 15 More Than Meets the Eye Earn a 1st Place MVP award in any Multiplayer mode.マルチプレイで一位を獲得する 15 You Got Spark, Kid Reach level 5 in any single class in Multiplayer.マルチプレイで任意のひとつのクラスがレベル5になる 5 Spike's BFF Reach level 25 in any single class in Multiplayerマルチプレイで任意のひとつのクラスがレベル25になる 15 The Kup's Half Full Reach a combined class level of 50 in Multiplayer.マルチプレイで全てのクラスの合計レベルを50にする 25 Only the Strong Survive Reach a combined class level of 75 in Multiplayer.マルチプレイで全てのクラスの合計レベルを75にする 50 Top of the Scrap Heap Reach a combined class level of 100 in Multiplayer.マルチプレイで全てのクラスの合計レベルを100にする 75 Prime Directive Unlock Prime Mode.プライムモードを解除する 30 Powermaster! Spend 25,000 Power in Escalation mode.エスカレーションで2,5000パワーを使う 30 Heavy Metal War Complete the 15th wave in Escalation.エスカレーションでウェーブ15をクリアする 50 Scavenger Would Be Proud! Destroy all hidden Autobot symbols in the Decepticon Campaign.ディセプコンキャンペーンで隠されたオートボットのシンボルを全て破壊する 25 Grimlock, Smash! Destroy all hidden Decepticon symbols in the Autobot Campaign.オートボットキャンペーンで隠されたディセプコンのシンボルを全て破壊する 25 Action Master Get 10 kills with a single detached turret in any mode.任意のモードで取り外したタレットで10キルする 15 Wait! I Still Function! Get 3 kills while downed in a Co-Op Campaign or Escalation mode.キャンペーンCOOPかエスカレーションでダウン中に3キルする 30 Ramhorn Ram-kill against an enemy who is stunned by an EMP grenade in Campaign or Multiplayer.キャンペーンかエスカレーションでEMP grenadeでスタンしている敵をロードキルする 15 クリア系実績 上位難易度でのクリアで下位難易度のクリア実績も同時に解除されるため、キャンペーンをハードで1周するだけで 全てのクリア系実績は解除される。難易度ミディアムで1周後、各チャプターの最終ステージのみハードに変更して クリアするだけでもハードクリアの実績は解除される。 累計実績 シングル、マルチ、エスカレーション共通で、「○○を○体倒す」等の実績は、進捗状況が表示される。 Beak Breaker http //www.youtube.com/watch?v=GyR3bk1s_FI Friends to the End チャプターをひとつクリアすれば解除。 COOP部屋を立て、相方がいない状況でゲームを始めステージをクリアしても解除可。 The Final Guardianを難易度easyでやれば数分で終わる。 Unlikely Allies Competitive Scoringをオンにしてチャプターをひとつクリアすれば解除。 COOP部屋を立て、相方がいない状況でゲームを始めステージをクリアしても解除可。 The Final Guardianを難易度easyでやれば数分で終わる。 Paging Ratchet http //www.youtube.com/watch?v=n9S6ILyaibE Wait! I Still Function! Escalationで狙うと簡単。 Your Lucky Day チャプター1 Dark Energonの"Moving Forward"で、光の輪で拘束されているオートボットを、一体残して全部破壊。 http //www.youtube.com/watch?v=7-tvhB-pQYM Thief in the Night 合計5つ。 http //www.youtube.com/watch?v=hdW35STnd7Q Motormaster! 「Death of Hope」のGuardian on the Bridge。 SoundwaveのRBの突進を使わないと間に合わない。 http //www.youtube.com/watch?v=Pmo-Wxdvu58 Devastator! Omega Supremeとの最後の地上戦で、全てのカバーポイントを破壊。 自分では壊せないのでOmega Supremeのミサイル等を誘導して全て壊せば解除。 柱などが欠けるだけで完全に破壊されない場合があるので見落とし注意。 Prime Directive プライムモードとは、マルチでレベルがMAXになった時にレベルを初期化するモードのこと。 Modern WarfareでいうところのPrestige(名誉)モード
https://w.atwiki.jp/sousakurobo/pages/299.html
統合暦329年5月30日 初夏の訪れを予感させるような強い陽射しに辟易しながら これまた一緒に居るのが辟易するようなクラスメイトが、さも当然かのように隣を歩いていた。 「そういや、守屋君って格闘は得意だけどさ、剣とか銃も達者なの?」 「剣は兎も角、銃が得意な高校生って滅多に居ないんじゃないのか?」 守屋が至極、真っ当な返答をするが、少なくとも霧坂にしてみたら守屋は真っ当な高校生では無い。 守屋が紛争地域で重火器を振り回していると言われても、「ああ。そうだろうね。」と簡単に信用するだろう。 「いや、得意そうじゃん?第一、フツーじゃないんだし。」 普通じゃない。その言い方に少し憮然とするが、気持ちは分からんでも無い。 「確かに家はあんなだし、物心が着いた時から色々、叩き込まれたけど 他人を殺傷する目的の道具は持たされた事が無いんだ。 だから、機械術にしたって刃は潰してあったし、銃火器の類だって触れた事が無い。」 「そっか、ゴメンゴメン。じゃあ、守屋君が大会に出るとしたら格闘か自由形かな?」 守屋は聞き慣れない言葉に眉を顰め、霧坂に聞き返した。 「自由形ってなんだ?」 「大会の出場種目だよ。本来なら同じ武器同士で戦うんだけどね。 其々が得意な武器、ギアに最も適切な装備をして戦うんだよ。銃vs剣とかね。 流石にMCIとSCIで区分されるけどね。」 要はギアのバーリ・トゥードか。初めてギア部の見学に行った時の加賀谷と三笠の戦いをふと思い出した。 ソードライフルvsハルバート+ランス。アレも一種の自由形か。 互いに武器を合わせるよりも好き勝手な武器でぶつかり合った方が面白そうだ。 「面白そうだな。早く大会に出場してみたいもんだ。」 「ま、守屋君の場合はアイリス・ジョーカーの再調整からだね。」 前回の戦いで破損した左腕の修理がギア部の整備担当班の手に負えなかった為、工場送りになってしまったのだ。 守屋は自分の操縦技術が未熟だからと破損させてしまったと考えていたが、原因は少し違う。 アイリス・ジョーカーの反応速度を抑えていた為、守屋の動きをトレースする事が出来なかっただけに過ぎず 例え、大会上位の腕を持つ選手であっても、そうと知らなければ守屋と同じく機体を破損させていただろう。 ギアが工場から戻って来たら守屋はアイリス・ジョーカーの反応速度を調整しながら 単純動作を繰り返しながら、最適なパラメーターを設定する事から始めなければならない。 自動設定でも前回よりは比べ物にならないくらい動かし易くなるが、モーショントレースという性質上 MCI搭載機の性能を最大限引き出す為には最適値を見つけるのは必須事項だ。 何よりもMCI部門の大会出場者達は皆通って来た道であり、自動設定で出場するなど言語道断なのだ。 「早く、ジョーカーに慣れたいんだけどな…」 ぼやく守屋を霧坂が珍しく普通に宥める。 「適切な調節をしたギアがどれだけ扱い易いかはシミュレーターでも分かったでしょ? それに変な癖が付くといけないからね。守屋君はレギュラーなんだから、しっかりやらないと。」 霧坂がまともな事を喋るのは初夏の陽射しによる熱射病なのではと 微妙に失礼な事を考えながら、スタジアムに足を踏み入れた。 ギア部の選手陣は加賀谷の前に並び、活動前のミーティングを行っていた。 「よし。全員、集まったな。今日はシミュレーターを使った総当たり戦を行う。 1年…特に守屋は『まだ』対人戦を経験していないからな。」 「ええ。『まだ』未経験ですね。」 実際には宋銭高校の生徒と交戦し撃退しているのだが、そんな事実は無い事になっており 今回のシミュレーター訓練が初めての対人戦という事になっている。 「では、守屋はリヴァイド・ジョーカーのデータ。それ以外の部員はリヴァイドのデータを使え。 使用兵装は各自自由とする。守屋のみMCI搭載機になり、近接系の選手にはかなり大きなハンデを抱える事になるが… ギア選手としてのキャリアは無いも同然だ。つまり、負けたらかなり恥ずかしいぞ?各自、肝に銘じるように。」 シミュレーターに乗り込み、加賀谷の指示通りリヴァイド・ジョーカーのデータをロードし、兵装にナックルガードを選択。 戦闘準備完了。ギアのモニターがスタジアムの映像を映し出す。 既に相手のリヴァイドが待ち構えていた。全員の使用ギアがリヴァイドのせいで誰か全く分からない。 ライフルにショートソードを装備しているのは分かるが…誰がどの武器を得意としているのか守屋は知らない。 ただ、誰が相手であっても全力でぶつかるという気概。勝つにせよ負けるにせよ、得る物があるという思い。 あわよくば全勝したいという、ささやかな欲望を持っている程度だ。 開始の合図を待っていると相手ギアから通信が入る。 「やっほ、一番手は私だから、お手柔らかにね。」 「霧坂はライフルと短剣を使うのか…」 「ま、私も初心者だからね。色んな武器を使って模索中ってわけ。 守屋君は素手でやるの?って言うか、素手の方が強いんだっけ?」 「多分な。やってみれば分かるさ。俺もある意味、模索中だからな。」 そう言って、構えを取る、 「成る程ね。」 守屋が攻撃を仕掛けるには、距離を詰める必要がある。 しかも、SCI機は人間の至らない所をシステムを補ってくれる。例えば、ライフルのロックオン。 単純な命中精度だけなら、アームドギアにも匹敵する。 以前に加賀谷が高速飛来するロケットランスにライフルの砲弾を何発も直撃させる事が出来たのも 加賀谷の腕による所も大きいが、サポートシステムを適切に運用出来たからこそでもある。 特に飛び道具に事関してはSCI機の優位は非常に大きい。 更に守屋が距離を詰めようにも追いかけっこでは霧坂に分がある。 MCI機は総じてブースターや、スラスター等の推進装置が無いからだ。 とは言え、フィールドの広さは無限では無い、一方方向に逃げれば壁に遮られるし、飛べば天井がある。 エネルギーと弾数も当然、無限では無い。延々と機動力任せで後退しつつ、ライフルで狙撃すると言うわけにはいかない。 弾、エネルギーが尽きる前に壁際まで追い詰められる前に守屋を撃破しなければならない。 兎に角、守屋に攻撃をさせてはならない。守屋に格闘戦を挑むのは無謀過ぎる。 遠距離戦闘ならSCI機に分があるが、近接戦闘ならMCI機の独壇場だ。 何よりも、守屋の格闘戦技能ならばギアを通してとは言え、一撃で昏倒しかねない。 戦闘開始の合図と同時にライフルを二発。後方に跳躍し着地と同時に更に一発。 最初の二発を左腕で打ち払い、3発目を身体を逸らし回避。 霧坂が様子見をしている隙に距離を詰めるべく地を蹴った。 霧坂は距離を詰める為に疾走する守屋を見て、思っていた以上に早いなと思った。 だが、足が早い事など如何でも良い。銃弾を打ち払って無効化するなんて、どんな非常識だ。 「あれ…また左腕?」 以前、宋銭高校の生徒と戦った時も飛び蹴りを左腕で打ち払っていたのをふと思い出した。 まさかと思い。霧坂は左腕に一発、後方に飛び退り右腕に一発。 守屋は左腕で銃弾を打ち払い、右腕を狙った一撃を左前方に跳躍し疾走した。 「成る程。左腕は盾で、右腕は剣ってわけね。じゃあ、コレなら如何かな?」 右腕に向けて、マガジン一つを使い切るつもりで発砲する。 守屋は一発も被弾しない。SCI機の射撃精度が非常に高いのは既に聞き及んでいる。 リヴァイド・ジョーカーのモニタを最大望遠でリヴァイドのライフルの向きで着弾位置を マズルフラッシュで発砲のタイミングを計り、回避行動に移る。普通なら出来ない芸当なのだが SCI機に関しては話が違ってくる。攻撃が正確過ぎるが故に予測回避が容易なのだ。 そもそも、MCI機でSCI機に追いつける等と思い上がっていない。 安全に回避行動を取れるように充分な距離を取っている。 本格的に距離を詰めるのは弾が切れてからでも遅くない。 流石に連射されると回避は困難だが、回避だけに意識を集中させれば致命傷だけは避けられる。 現に奇跡的ではあるが、連射されたライフルの砲弾を全て回避した。正直、もう一度やれと言われても出来そうに無い。 「ふーん…やっぱりね。」 左側に攻撃を行うと左腕に打ち払われる。右側に攻撃を行うと、かなりの頻度で左側に飛び退く。 「素人相手に動きを読まれるのは如何なんだろうね?」 独りごちて、ニ発目のマガジンをセットする。 「これで撃ち止めだけど、これで充分かな。」 右腕に向かって、3発発砲。ワンテンポ遅れて何も無いリヴァイド・ジョーカーより遥か左の空間に向けて3発発砲。 霧坂の予測通り、守屋は左前方に向かって機体を跳躍させる。着地点には砲弾が3発。 「此処まで予想通りだとはね。3発と言わずに、もう5~6発くらい撃ち込んでおけば良かったかな?」 霧坂の放った銃弾は守屋機の脚部を撃ち貫こうと襲い掛かる。 「残念。そこはキルゾーンでしたとさ。足を潰されたら、まともな回避運動も取れないよね?」 霧坂は勝利を確信するが…守屋は無造作に左腕を振るった。 三発の砲弾を打ち払うが、度重なる強引な防御のせいで左腕が爆散する。 「これは…大失態だね。」 恐らく、手の内は知られてしまった。しかも、新たな攻撃手段を講じようにも残弾は僅かだ。 「この攻撃で得られたのは守屋君の左腕…うあ、割に合わないわ。」 必勝の策は守屋に通じず戦意喪失から来る痛恨の操縦ミスをやらかしてしまい勝負は一瞬でケリがついた。 「分かっていたけど、本当に強いわ。私の方が一ヶ月も長く乗ってるんだけどなぁ…」 「ま、要模索ってところか?」 悔しがる霧坂を前に軽くおどけて見せるが、霧坂の予測能力に肝を冷やしたのも、また事実だ。 (日常会話でもよく読まれるしな…俺って分かり易いのか?それとも、霧坂が異常なのか?) 強いて言うなら、どちらも正解である。 モニターから霧坂のリヴァイドが姿を消し、大剣を携えたリヴァイドが現れた。 「おー、来た来た。まずは一勝、よく頑張ったな!」 次の対戦相手から快活な声が届けられた。 「回避した先に銃弾ぶち込まれた時は流石に如何しようかと思いましたけどね。」 声の主は2年のレギュラー、阿部辰巳だった。黒髪に黒目、スポーツギア部の中で最も倭国人らしい顔立ちをしている。 「遠距離攻撃に対する防御手段や回避運動が単調過ぎるんだ。ま、気にする事じゃねーよ。 MCI同士の戦いで飛び道具使う奴なんて滅多にいないしな。」 阿部の指摘に、やっぱり分かり易いのかと少し凹む。 「ま、守屋とやる時はコレの方が良いだろ?」 阿部機は携えた大剣を両手で握り、腰溜めに構える。 とは言え、阿部機はMCIでは無くSCI機の為、レバーやペダル、モーションプログラムによって操作を行う。 使用出来るモーションプログラムの数にも限りがある。長丁場になればなる程、呼び動作だけで動きを読まれてしまう。 だが、MCIは搭乗者の動きをトレースする操縦システムだ。格闘戦に事関してはSCIのような制限は一切無い。 守屋にとって圧倒的有利な状況。 格闘戦における下地は完成していると言っても良い。だが、ギアの性能を完全に引き出すには至ってはいない。 (ま、後輩のレベルアップに付き合ってやるのも先輩の役目ってな。) 構えを崩さずブースターで距離を詰め、突き、切り上げ、振り落とし、薙ぎ払いの四連撃を放つが軽やかに避けられる。 (格闘戦だと回避運動も変則的になるんだな。) また単調な動きで避けるようなら注意の一つでもしてやらなければなと考えていたが、自分が口出しするまでも無い。 (今度は打たせてみるか。) 大剣を振るいながら、守屋が攻撃に転じ易いように攻撃と攻撃の間に発生するタイムラグを広げてやる。 (ブースターも無いのに早いな。流石に良い踏み込みをする。) 隙ありと守屋機は一瞬で距離を詰め、鋼拳を阿部機の左腕に叩き込む。 両手で持つ事が前提の武器だ。腕の一本でも落とせば攻撃能力は半減どころじゃ済まされない。 (何も教えてねーのに、よく理解している。ガキの時から鍛えたれてた言ってたな?) 確かに守屋の踏み込みは早い。攻撃も理に叶っている。攻撃パターンも多彩だ。 だが、その速さもMCIとしては早いと言うだけに過ぎない。阿部は慌てもせずに、ブースターを一吹かしして、一歩離れる。 (そういや、もう一発来るんだっけな。) 阿部機は大剣を持ち上げ盾の代わりに構え、守屋機の右回し蹴りを防ぐ。モヒカンと戦った時と同じだ。 「きっとそう読んでくれると思いましたよ。」 守屋の挑発気味の発言に阿部が眉を顰めようとするが、それよりも早くコクピットに衝撃が走った。 守屋機の左足刀が阿部機の右足に甚大なダメージを与える。 幸い欠損だけは避けられたが、踏み込みに頼った斬撃は後何発放てるだろうか? (足を潰されたのは初めてだな。よりによって手持ちのモーションパターンの踏み足は右と来たもんだ。 …手詰まりか。つーか、後輩の欠点を気付かされて如何するんだよ、俺。) 手詰まりと言うには若干、語弊がある。阿部の用意したモーションパターンには ブースターを活用した空対地、地対空のブースターを活用した攻撃プログラムがある。 だが、SCI機を使う予定の無い守屋にとって利益をもたらす攻撃では無い。 (やれやれ…後輩を舐め腐った罰だ。此処は花を持たせてやるか。) 満足に攻撃が出来ないまま阿部も守屋に撃墜され、次の対戦相手と相対する。 歳方アリア。阿部と同じく、2年のレギュラーで二丁のハンドガンを装備している。 「守屋、わたしゃ吃驚だよ。まさかギアに乗って一週間の奴が阿部を倒すとは思わなかったよ。」 「阿部さんも、此方に合わせて戦ってくれた上に手加減までされてましたから。」 「でも、余裕ぶっこいて負けるのは先輩としてどうよって感じなんだけどねぇ… まあ、先輩として立つ瀬が無いから、そろそろ負けてもらおうか!」 開始の合図と同時に距離を詰めて来る。 (てっきり、霧坂と同じようにアウトレンジからと思ったんだけどな…) 歳方はブースターの出力を最大値まで引き上げ守屋機に迫りながら、ハンドガンを発砲する。 二丁のハンドガンから吐き出された弾は守屋機に一発も被弾しない。 (当たらない?どうなっている?) SCIの精密射撃能力は人間のそれを大きく上回っている。 なのにも関わらず、歳方機の射撃は出鱈目だ。避けるまでも無く当たらない。 (アレはそもそも狙っていないのか?厄介だな…) こちらを狙っているのか狙っていないのか分からないが、モニタを最大望遠モードにしても見切るのは非常に困難だ。 ライフル程の攻撃力は無いが発射感覚が短い上に高速移動しながらの射撃の為、銃身が激しくぶれている。 これでは攻撃予測なんて出来やしない。 (霧坂みたいな丁寧な攻撃なら見切るのも簡単なんだろうけど、こういった雑な攻撃は見切れないみたいだねぇ。) 漸く、守屋が苦戦らしい苦戦…と言うか随分と戸惑っているようだ。助言くらいはするべきだろうか? 「守屋~。SCIの攻撃は確かに正確だろうけど、常に正確無比で合理的な攻撃をすると思ったら大間違いだよ。 全部が全部、合理的な攻撃なら霧坂の攻撃みたいに読み易い攻撃になっちゃうだろ?」 アドバイスの言葉を銃弾と一緒にプレゼント。牽制弾を数発。そして、本命弾を四発。 非有効射程距離からの、ただ当てるだけの銃弾。有効なダメージでは無いが四肢を捉えていた。 (やろうと思えば、いつでもやれる…ってわけか。) 距離の詰め合いもそろそろ終わりだ。ハンドガンの有効射程距離になると同時に歳方機は発砲を止める。 それどころか、ブースターの勢いを緩めない。 (すれ違い様に背中に攻撃って所か…?正面からぶつかって膝蹴りで打ち落としてやる!) 全身のバネを使って跳躍し歳方機に正面から立ち向かう。 歳方は思わず口を吊り上げ、ニヤリと笑った。 (面白い子だ。MCIでSCIを相手に真正面から空中戦を挑んで来るだなんてね。) 歳方機は空中で一回転、膝蹴りを避け守屋機の背中に二発銃弾を撃ち込む。 「今、撃たれた所にSCIのブースターがあるんだよ。普通なら墜落だねぇ。」 (さて、これは手強いな。いや…) 反転し、再びこちらに高速接近する歳方機に向き直り、跳躍する為、全身のバネを撓ませた。 (また膝蹴りかい?愚直だねぇ…付き合ってやるよ。) 機体を跳躍させ歳方機の両腕を広げ正面に立ちはだかる。勿論、膝蹴りなどするつもりは無い。 先程と同じく回転しつつ逃げようとする歳方機にしがみついた。 「これは…何なんだ?」 「合理的且つ、非合理的な攻撃ですかねぇ…多分。」 「いや、多分って…」 因みにリヴァイドには他のギアにしがみ付かれたまま、高度を維持出来る程のパワーは無い。 更に対戦開始から常時ブースターを最大出力で稼動させていた事もあり… 「嘘っ!?エネルギー切れ!?」 態々、ご丁寧に再現された重力に引き摺り落とされる。 一瞬の油断が敗北に繋がった。それも空中で飛びつかれ地面に引き摺り落とされるという 合理性以前に不条理極まりない攻撃。そもそも、あんな攻撃をする奴なんて見たことが無い。恐るべし素人。 しかし、負けは負けだ。それも一番、不恰好な負け方をしてしまった。 「り~ん~…わたしゃ、もーダメだ。仇を取ってくれ~。無理なら私より情けない負け方してくれ~!」 次の守屋の対戦相手として内田燐が守屋と向かい合っていた。 「同じマニューバを立て続けに二回も使うからだよ。それからエネルギーの無駄遣いが多すぎ。」 守屋と歳方の戦闘記録を流し見しながら、歳方にアドバイスを流す。 「と言うか、子供の頃から戦闘訓練受けてるんだから私達より身体の使い方が巧い事くらい少し考えたら分かるよね?」 「もう良いよ。それ以上言われたら立ち直れそうにない…」 仕方が無いなぁ…と、話を打ち切り、守屋にスナイパーライフルを突きつけた。 「また飛び道具…」 歳方と戦って嫌と言う程に思い知らされた。 (相手が潰す気で来たら、手の打ちようが無い。) 遮蔽物の無いバトルフィールドで真正面で向かい合っている。 スナイパーにとって最悪の条件だが、MCIにブースターもスラスターも無い。 走る以外に高速移動を行う手段を持ち合わせていない。 勿論、ブーストダッシュと比較にならない程遅い。 「弾数はかなり少ないけど、早いし当たると痛いから注意してね?」 内田はその場から動きもせずに守屋に狙いを付ける。 守屋はすぐ様、サブモニタを最大望遠モードに切替、銃向を確認し着弾位置を予測する。 (狙いは胸部装甲…一撃で決める気か。) 左腕を盾代わりに構える。どれ程の威力を持つか分からないが、左腕と引き換えに見切る腹積もりだ。 (また左腕…本当に癖なんだね。) ナックルガードじゃなくて、素直にシールドを装備すれば良いのにと苦笑する。 アドバイスは後からでも出来る。今はやるべき事は守屋にギア戦の経験を積ませる事が最優先だ。 躊躇いも無くトリガーを引く。霧坂のライフルとは違いマズルフラッシュは無い。 突然、襲い掛かる衝撃に守屋は転倒する。幸運にも砲弾は左腕をもぎ取っただけで胸部装甲には届いていない。 (あ、そっか。SCIと違って中の人が驚けば、ギアも驚くんだね。一発目は命拾いしたけど、ニ発目はどうする?) 内田がライフルを構え直すと、守屋は慌てて立ち上がり右腕で胸部装甲を庇った。 あくまで正面から受け止め、攻撃を見切るつもりらしい。取り合えず攻撃力が高い事だけは理解したらしく ギアのつま先を軽く浮かせ、素早く後ろに倒れ込む準備もしている。 「度胸…あるね…」 「割と臆病ですよ?弾速が全然分からない以上、闇雲に突っ込んでも勝ち目無いですからね。 両腕と引き換えに見極めさせてもらいますよ。足が使えれば攻撃は出来ますからね。」 勝負を投げたわけでは無さそうだ。本気で右腕を犠牲にして足技で倒すつもりらしい。 だったら、足を狙えば内田の勝ちは確実になるのだが… (正面対決でそれは無粋だね。アリアちゃんも阿部君も、こういう気分で戦ったのかな?) 歳方と阿部が、守屋のやりたいように戦わせてやっていたのを思い出し納得した。 こうも馬鹿正直に正面から向かって来られるとアレコレ小細工するのも馬鹿馬鹿しくなってくる。 一方、守屋は視覚では内田機の砲弾を見切れないと分かると、集音センサーの感度を上げ 発砲音で着弾のタイミングを計る為に聴覚に意識を集中させていた。 発砲音が鳴り響くと同時に後ろに倒れ込もうとするが、既に遅い。 砲弾はナックルガードを弾き飛ばし、右腕の装甲を削り取っていた。 格闘戦には使えないが、まだ盾代わりにはなる。 再び、立ち上がり右腕を構える。 (発砲音が聞こえてからじゃ遅い。) 発砲音と同時に倒れ込む。受身を取るよりも早く右腕が宙を舞っていた。 右腕は耐え切れなかったが、受けた衝撃その物はかなり軽減されていた。 「距離を離せば大分、安全になると思うよ?」 「内田先輩こそ…足を狙えば、一発でケリが付きますよ?」 守屋機があまりにも凄惨な姿に変わり果ててしまった為、思わず口出しをしてしまったが 無粋な事を言ってしまったと後悔する。改めて、これはそういう勝負なのだと思い知らされる。 内田がトリガーを引いたと同時に守屋が右肩を前にして前に踏み込んだ。 前のめりに崩れ落ちる守屋機を内田は固唾を飲んで見守った。 「これで…防ぐ物が一個も無くなってしまいました。」 思いの他、余裕そうな口ぶりで立ち上がる守屋機を見て何故か、安堵した。 「こっちも残り一発。次が最後だよ。」 3回攻撃を受けて理解した。SCI機のようにブースターやスラスターがあるならいざ知らず この距離ではMCI機にスナイパーライフルの一撃を代償無しに無力化する手段は無い。 だからこそ、4発目の攻撃を右上腕部に被弾させ弾を消耗させる事に集中した。 どうせ避けられないのなら後ろに下がるよりも前に進む方が良い。それに内田から嬉しい報告も聞けた。 残りの弾数は一発。ならば、取るべき選択はこれだ。内田機を目指して真っ直ぐに駆ける。 (本気?自暴自棄になっているわけでは無いみたいだけど…こっちも追い詰められているのは同じだしね。) 気を取り直し、トリガーを引く。音に合わせて守屋機が身を沈め…地に伏した。 「直撃…守屋君、私の勝ちだね。」 少し不満だった。馬鹿正直に正面から突っ込んで来るくらいだから、 想像だに出来ないような奇策があるとか、こちらの攻撃を完全に見切ったのではと 変な話だが、自分を倒す下準備が整ったのではと期待していたからだ。 「いてて…先輩、ちょっとばかり気が早いですよ?」 戦闘情報を確認すると確かに守屋機のコンディションは最悪だが、撃破扱いにはなっていない。 「そっか、最後の最後でちゃんと回避出来たんだね!」 「いや…その…そうじゃなくてですね…」 やけに守屋の歯切れが悪い。 「どうしたの?」 「えーと、身を沈めてやり過ごそうとしたのですが…両腕が無いせいでバランスが取れず先輩が撃つよりも早く…こう、ガッシャーンと…」 運も実力の内とは言うが内田は開いた口が塞がらなかった。 間抜けな幕切れではあったが主兵装を無力化された事は事実だ。 「もう少し良いところまで行けると思ったんだけどなぁ…」 特に悔しそうには全く見えない。寧ろ、喜色混じりのぼやき声がスピーカー越しに鳴り響いた。 「ほんの少しでも行かせてしまうと負けかねないので…すいません。」 確かに守屋機は両腕が欠落し、度重なる転倒で薄汚れていた。 それに引換え、内田機はスナイパーライフルの弾が尽きただけで機体その物の コンディションは良好…開始位置からライフルを5発撃っただけで終わったのだから当然だ。 「大丈夫。良く頑張ったね!」 守屋が正式に入部する前、内田は守屋について噂を鵜呑みにしていたせいで 否定的な物の見方をしていたが、行動を共にするようになり一方的な確執は既に無くなっている。 当然だが、守屋は横暴な人間では無いし、無闇に暴力を振るうような人間でも無い。 力を誇示する事も無く、ただ一心で部活に精を出す普通の男子生徒と何ら違いは無い。 何よりも内田は歳方に、守屋は霧坂に事ある毎に振り回され厄介事を押し付けられる。 そんな受難体質という共通点もあってか二人の関係は他の部員と同様良好である。 さて、様々な思惑がありもしたが2年生レギュラー陣全員に勝利するという快挙を成し遂げしてしまった。 残るは3年生レギュラー。副部長、三笠慶。そして、部長、加賀谷望との対戦である。 この二人の戦いは入部前に一度見ている。自分の心をいとも容易く奪い取るような戦いをした二人と戦う事が出来る。 正直、勝算など全く無い。更に加賀谷に至っては三笠を一撃で落としている。 だが、守屋は意気軒昂。身近な所に自分を圧倒的な実力差で叩き潰してくれるような相手が居る方が強くなり甲斐があると言うものだ。 「此処まで負け知らずか。素質はあると思っていたが、大したもんだ。」 三笠は賛辞の言葉と共にハルバードを構え、背面ブースターを起動させる。 「だけど、此処まで来たら負けられないよな?」 まるで自分を倒してくれる事を期待するような口振りだと感じた。 実際、三笠は守屋の勝利を期待している。勿論、手加減は一切しないし自分も負けるつもりは無い。 だが、SCIとMCIが格闘戦で戦った場合、SCIの優位は機械制御された正確無比な攻撃のみである。 機体の仕様上、守屋が勝って当然の戦いである。 (MCI部門の個人戦…出場する以上、俺程度に負けるなよ…俺より強い奴なんてゴロゴロしているんだからな) 昨日今日、初めてギアを触ったような1年をレギュラーにするくらいだ。守屋にかける期待は非常に大きい。 (とは言え…負けるのも癪なんだよなぁ…) コンソールパネルを手馴れた手つきで操作し、背中のランスを消失させる。 (負けた時の言い訳用にな…) 「それじゃ、全員に勝つつもりで行きますよ!」 「上等だッ!!」 三笠機はブースターの出力を最大値まで引き上げ、守屋機目掛けて突撃。最初の一撃は小細工無しの渾身の一撃だ。 守屋もそれを察し、カウンター狙いで拳を構えた。力任せに攻めてくれるのなら、機体性能の差でまだ勝機がある。 (カウンターで頭部を潰す。巧くいけば一撃で三笠先輩を倒せる!) それで、倒せるような相手では無い。避けようともせずに、この場に留まっているのだ。カウンター狙いな事くらい見抜かれて当然だ。 カウンターは十中八九不発に終わる。問題は不発に終わった後、三笠は如何動く? 自分は如何動けば良い?カウンターを諦めて、接触される直前に跳躍し背後を取る? 論外だ。相手は性能差の不利を承知した上に力攻めを選んだというのに自分は逃げに転じるだと? それは逃げと変わらない。攻撃だろうが回避だろうが、真正面からだ。改めて、拳を握り直し、迫り来る三笠機を睨み付けた。 ↓ 感想をどうぞ(クリックすると開きます) +... 名前
https://w.atwiki.jp/sousakurobo/pages/361.html
統合歴329年8月3日 「祭りで戦い、山で戦い、平原で戦い、牧場で戦い、今日で5日目か…」 八坂高校スポーツギア部一年生、守屋一刀は夏合宿の出来事を思い返していた。 7月29日、冷泉学園にてレイス・ジョーカー3機を徹底的に捻り潰した後に冷泉地区の夏祭りに参加。 7月30日、藤宮高校のアクト・メイレーンを撲殺後、藤宮山の大林で森林浴を満喫した。 8月1日、峰葉学園のディーヴァに執拗且つ理不尽な脚技で蹴り倒し、キャンプファイアを楽しんだ。 8月2日、茂弓高校のルナメタルを斬殺。茂弓自然公園で牛の乳搾りを体験した。 夏合宿にしては明後日の方向へ突き進み過ぎている気がしないでも無いが 八坂高校スポーツギア部の部長、加賀谷望(夏仕様)のイカレ具合に比べればマシだ。 「夏の定番と言えば、海だあああああああああああああッ!!!」 「いや、違うだろ。…違わないけど。」 公共の場で咆哮する加賀谷から数歩離れ守屋は無関係を装い、口の中でぼそりと突っ込みを入れる。 小気味よく後頭部を引っ叩いて、なんでやねんと突っ込みたいのだが、アレの仲間と思われるのは勘弁願いたい。 「海はさて置き…今日は守屋も油断出来ない相手だぞ。」 守屋が憮然としていると、八坂高校スポーツギア部副部長、三笠慶から刺激的なお言葉が投げかけられる。 「お、遂に強敵の出現ですか?」 見知らぬギアに見知らぬ選手との戦いは楽しい。だが、相手が強いと尚楽しい。 だからこそ、実に楽しそうに待っていましたと言わんばかりの表情で三笠に向き直る。 「ああ。宝仙高校はウチと同じで団体戦主体のチームで、個人戦にはあまり力を入れて来なかったんだ。 だけど、今年になってからウチと同じで、少しばかり状況が変わってしまってな。」 「MCI搭載機を一機導入、適合する一年生が一名入部。だけど、練習相手が居ないという事ですか?」 「ああ。その上、初の対人戦で全部員を撃破したそうだ。」 成る程。同じ一年生で置かれた立場も似ている。相違点を上げるとすれば守屋は初の対人戦で全部員の撃破に至ってはいない。 それどころか初の対人戦で守屋を敗北至らしめた男に未だ、ただの一度も勝利する事が出来ないでいる。 苦虫を噛み潰したような表情で、その男…加賀谷に目線を移すと不穏当な言動と共にを咆哮し 周囲の歩行者を恐怖の渦に陥れていた。通報されてしまえ。 守屋は再び目線を逸らし他人のフリをしながら何故、コレに勝てないのかと自問自答する。 考えるまでも無い。猛暑のせいで無残な姿に壊れてしまったが、コレとて八坂州五指に入る猛者なのだ。 いくら素質があるとは言え、スポーツギアを始めて半年にも満たない素人が如何にか出来る相手では無い。 それは重々承知している。事実、どんなに強くなってもその差が埋まらないのだから。 (納得いかねぇ…) 一人で悶々としながら、思考の海に意識を埋没させてしまったせいで、迂闊にも危険人物の接近を許してしまう。 恐怖の大王と化していた加賀谷が、爬虫類の様な目付きで腰を振りながら、ゆっくりと守屋ににじり寄って来たのである。 先輩達に助けを求めようとするが因みに三笠を初めとする上級生達は既に退避済み。裏切り者め。 加賀谷は守屋との距離が1mという所で大きく跳躍。守屋の頭上を飛び越え、空中で4回転半、着地と同時に守屋に指を差す。 「似た者同士、お互いに切磋琢磨して来い!!」 見事としか言い様が無い筈なのに気持ち悪いとしか形容が出来ない。 と言うか、お前の運動神経は壊滅的な程に悪いんじゃなかったのか。 宝仙高校に到着後、加賀谷は宝仙高校のスポーツギア部を恐怖の渦に…基、挨拶へ出向き 仮設格納庫の中で整備担当の部員達に最終調整の為に指示を飛ばす。 あのイカれたノリで、まともな指示を出せるとは思えないが、状況が悪くなった例は一度も無い。 納得は出来ないが腐っても加賀谷望だ。信じるしかあるまい。 (それよりも今日の対戦相手だな。) 仮設格納庫の中ではアイリス・ジョーカーの足元で整備担当の部員達が右往左往して非常に慌しい。 試合前はいつもだが、アイリス・ジョーカー担当の部員達は特に忙しく走り回っていた。 加賀谷は守屋が対戦するギアを見るなり急遽、守屋機の構成を変更するよう命じたからだ。 最近、定番装備になりつつある右腕のブレード内臓シールドは兎も角、脚部の追加衝撃緩和剤ユニットが並から特盛に変更。 そして、今回、初めて使用する有線式チャクラム内蔵シールドが左腕に装着されようとしていた。 「いよいよ、換装パーツの解禁ですか。」 「今日が総仕上げみたいなものだからな。」 予備のパーツは多めに用意してあるが、追加装備に関しては元々のストックと流通量が少なく ある意味で本体よりも貴重な為、易々と破壊されても困るし格下相手に持ち出すような代物では無い。 だからこそ、追加装備を使う時は破壊されても惜しくないような相手と戦う時に限られる。 「それに加賀谷が急な構成変更を命じるくらいだ。搭乗者と同じでギアも難物って事だろ。」 だとしても、生身でもギアでも使った事の無いチャクラムなど持たされても使い所が分からない。 だが、加賀谷の教育方針は戦いを通じて自分で気付けという物で、細かな指示やアドバイスを出す事は滅多に無い。 ただ急な装備変更を指示するくらいだ。使いこなす事が出来れば戦いを有利に運ぶ事が出来るだろう。多分。 「加賀谷曰く、備えあれば楽しいな…だそうだ。」 「それは楽しいですね。全然、意味が分かりません。」 「俺も分からん。だが、この界隈で宋銭を除けば最強の相手だ。油断はするなよ。」 宋銭を除けば最強。三笠の言葉を受け、宋銭高校スポーツギア部の二年、矢神玲の事を考える。 この男もまた加賀谷と同様、底の見えぬ男だ。そして、恐らく8月12日に行われる地区大会でケリを付ける事になる。 シミュレーター訓練での戦績は散々な物で正直、勝てる見込みは全く無い。 妙な焦燥感に駆り立てられるが、今は目の前の敵だ。 「分かりました。アイリス・ジョーカー出しますよ。」 お前に用は無いと湧き上がる焦燥感を心の奥底に追いやり、アイリス・ジョーカーを立ち上げる。 宝仙高校のギアスタジアムの中に機体を歩ませると既に対戦相手が腕組みして待ち構えている。 だが、素手でやり合う気は無いらしく足元には巨大な棍棒のような武器が鎮座していた。 「君が噂の守屋一刀君だね?私の名前は片桐セイナ。今日の共同訓練、お手柔らかにね。」 「ああ。宜しく頼む。」 最近、勝手に変な噂らしきものが一人歩きしているような気がしてならない。 アイリス・ジョーカーのサブモニターには対戦相手である片桐セイナの屈託の無い笑顔が表示されている。 青みがかったショートヘアに翠の瞳に絆創膏。少女と言うよりはまるで少年だ。 (眼は…紅くないな。) 初の対人戦で全部員を完膚無きにまで叩き潰したという事前情報から察するに紅眼の仕業だと思っていたのだが 紅い眼を持つわけでも無ければ、ふざけた保護者に、ふざけた訓練を課せられたような雰囲気も無い。 何にせよ、油断出来る相手では無い。守屋機はブレードを引き伸ばし、いつでも跳躍出来るように腰を落とす。 試合開始の合図がスタジアムに鳴り響く。敵が来るのを待ち受けるのは性に合わない。 守屋機は地を蹴り、砂埃を巻き上げ、白煙を吐き出しながら片桐機に肉迫する。 一歩一歩、地を蹴る度に地面が抉れ、砂煙と土塊が宙に巻き上げられる。 低空を飛翔する戦闘機のような勢いで迫り来るアイリス・ジョーカーの勇姿を片桐は楽しそうに口の端を吊り上げた。 (良い気迫をしている。部長達なんかよりもずっと楽しませてくれそうだよ。) まずは小手調べ。加速の勢いに乗せたブレードを片桐機の腹部に目掛けて一閃。 だが、手応えは無い。片桐は守屋機の斬撃に合わせて機体を前転させ、攻撃を潜り抜ける。 機体が背中合わせになると二人は機体に急制動を掛け脚部から白煙と化した緩衝材を勢い良く吹き出す。 だが、それも一瞬。両機は機体を急反転させながら再び攻撃に転じる。初動はほぼ同時。 ぶつかり合った武器が大きな火花を迸らせ、機体に纏わり付く白煙を弾き飛ばし、膠着状態を生み出す。 だが、力任せに押さえ込もうとする片桐に付き合うつもりなど無い。守屋機は半歩身を引きブレードを折り畳み 片桐機の踏み足に足払いを仕掛け体勢を崩す。片桐は慌てて立て直そうとするが、それよりも守屋が追撃に移る方が早い。 守屋は片桐が対応出来ないと判断すると更に間合いを詰めながら鋼拳を5発叩き込む。 片桐機は守屋の容赦無い連撃に機体を激しく揺さ振られ、装甲を軋ませる。 それでも守屋は攻撃の手を緩めない。片桐機の頭部目掛けて、左足を蹴り上げる。 頭を潰されては堪ったものでは無い。両腕を交差し如何にか体勢の立て直しを計る。 ガードを崩されたはしたもの、何とか頭部への攻撃は防いだ。今度は此方の番だと反撃に転じようとする。 (ガードが崩れたな…) 一度、攻撃に転じた守屋が易々と反撃を許す筈も無く、蹴り抜いた左足を踵落としの要領で再び片桐機の頭部に襲い掛かる。 一発一発が一撃必殺の威力を秘めている癖に、弱点に対する猛襲も執拗と来たもので、とんでもない奴だと片桐は舌を巻く。 「あはは…冗談じゃねーわ。」 此処一番で漸く回避行動が間に合った。守屋機の踵落としは空を切り地面に激突し小さなクレーターを作った。 本当に冗談じゃないと苦笑いしながら、安全圏まで飛び退く。全く余裕の無い状況だが片桐の表情は実に楽しそうだ。 「こりゃ、相手の土俵に合わせてたら勝てねーわ。」 片桐は自分自身の戦闘能力と、愛機イーゼル"イェーガー"で守屋に近接戦闘を挑む愚を悟り、更に後退。 だが、後退した片桐を守屋が逃がす筈も無く、ここぞとばかりにアイリス・ジョーカーは撃ち出された砲弾の如く疾駆する。 あの脚力と技量だ。瞬き後一つ終える頃には間合いを詰められるどころか、攻撃を終えているだろう。 「ま、こっちもそうなんだけどね。」 守屋機の鋼拳が片桐機を打ち貫くよりも早く、片桐は攻撃に転じる。 今まで打撃に使っていた打突武器を腰溜めに構え、イーゼル・イェーガーの名が示す通り引鉄を引く。 爆音と共にマズルフラッシュが放たれ、破壊エネルギーを纏った巨大な砲弾が勢い良く吐き出される。 「生憎と私と、この子の本領はこっちでね。守屋君はどーよ?」 流石に一撃でスポーツギアを沈黙させる程の威力は無いが、ほぼゼロ距離。 回避なんて不可能と言っても過言では無いし、ダメージも五分と五分だ。 「どーも何も、扱うのも扱われるのも苦手だけど…特にアレだ。ソードライフルなんて最悪だ。」 景気良く噴出される白煙に気も止めず機体を急制動させ姿勢を落とし砲弾をどうにかやり過ごす。 守屋は忌々しげに顔を歪め、真紅の機体と優等生の皮を被った変人を思い浮かべる。 そして、歳方や内田の二年生の二人組みもそうだ。飛び道具を使う相手に良い思い出が無い。 「ソードライフルでは無いけど、これも中々の逸品だよ?」 片桐は守屋以上に忌々しげに顔を歪める。いや、忌々しいと言うよりは悔しげと形容する方が正しい。 何せ苦手だと言っておきながら、奇襲じみたゼロ距離からの砲撃を避けられてしまっては立つ瀬が無い。 「MCIの銃使いか…面白そうだな。」 忌々しい得物ではある。だが、MCI同士の戦いで飛び道具を持ち出す相手と戦う機会は滅多にない。 SCIと異なり、MCIには照準システムや制御装置が無く、命中精度は劣悪。相手に被弾させるにはかなりの錬度を要する。 しかし、近接武器と打ち合いが出来る程の耐久性と質量を持つ銃身を軽々と振り回し あきらかに不向きな筈の長物を短銃さながらの早撃ちなんて芸当までやってのけるパワーがある。 MCIに飛び道具など愚の骨頂…そんな一般的な認識を改めさせられるには充分な相手。 そして、何よりもこんな珍しい相手と戦うのは実に面白い。 「中長距離用のキャノンライフル。装弾数はそんなに多く無いから弾切れするまで頑張って逃げてね。」 片桐は今度は此方の番だとでも言いたげな様子で楽しげな口振りで守屋機に銃口を突きつける。 事実、楽しんでいた。ギア部に入部して四ヶ月、ただ一度の敗北も許した事が無い自分が初めて追い込まれたのだ。 それも、熟練の猛者では無く自分と同じ高校からスポーツギアを始めた、同じ一年生を相手にして。 これまで上級生相手にしか戦って来なかった二人は同級生相手に負けてたまるかと牙を剥く。 「弾切れするまで撃たせる程、悠長な奴に思われていたのか…俺が易々と撃たせると思うなよッ!!」 気迫と共に片桐機に鋼拳を打ち飛ばすが、拳が届くよりも早く片桐は機体を真上に跳躍させ守屋の打撃から逃れる。 「跳躍力は奴の方が上か!」 追撃し空中戦を挑もうとするがアイリス・ジョーカーの脚力では追い付けない。 落下して来るまで大人しく此処で待つか?飛び道具を持っている相手に?論外だ。阿呆としか言い様が無い。 後退しながら回避行動を取り、片桐機の着地を待ってから反撃に転じるのがベターな選択なのだろうが それでは無難過ぎて、とても面白く無い。啖呵を切った以上、正解も不正解も関係無く前に出るべきだ。 出るべきなのだが、前に出る為の手段が無いのでは如何しようも無い。 (いや、良い物があるじゃないか。) 守屋は忸怩たる思いで機体を後退させようとするが、頭のイカれたボスが持たせた武器の存在を思い出す。 左腕のシールドに内臓された有線チャクラム。流石に飛び道具扱い出来る程の射程距離は無い。 だが、空中の片桐を叩き落すには充分過ぎる射程距離だ。 片桐が地上の守屋に銃口を向けるよりも早く、左腕を片桐機に突き付けチャクラムを射出する。 チャクラムは甲高いうねり声をあげて風を切り裂き、片桐機の腹部を食い破ろうと襲い掛かる。 だが、片桐は動揺する事無く、極めて冷静に対応する。 「打撃に比べたら遅いし、軽い。」 再びキャノンライフルを棍棒のように持ち、迫り来るチャクラムを弾き返す。 更に落下エネルギーを伴いキャノンライフルの砲身を守屋機の頭部に叩き落そうと猛襲する。 流石に意地を張って良い攻撃では無いとチャクラムを巻き戻しつつ、安全圏まで飛び退く。 危機一髪。隕石と言わんばかりの勢いで地面を抉り、片桐機の各部から景気良く緩衝材が噴出される。 更に砂煙と土塊が柱のように巻き上げられ、片桐機の姿を掻き消す。 (使い所がよく分からんな。) 再びチャクラムが収められた左腕を一瞥する。 (加賀谷部長が持たせてくれた以上、意味はある筈なんだが…) 使い道の分からない武器に気を取られていても仕方が無いが、加賀谷ならどう戦うのかと一瞬、意識を思考の海の埋没させる。 迂闊にも程がある。先程、守屋は片桐が見せた一瞬の隙を付き、七発の打撃を一瞬で叩き込んだ。 片桐は守屋と同じ事をキャノンライフルで返礼。だが、放たれる砲弾は七発どころでは済まされない。 砲身からはフルオートで悪ふざけかとしか思えない量の弾が吐き出される。 とは言え、MCIの命中精度なぞSCI機と比較にならない程、劣悪だ。避けるまでも無く易々と当たる物では無い。 だからと言って、余裕をかましてもいられない。アイリス・ジョーカーを中心にけたたましく降り注がれる弾幕の雨。 避けずとも当たりはしないが、何処へ向かって飛んで来るかも分からない以上、抜け出す事も出来ない。 シールドで機体を覆い機体に降り注がれる砲弾の雨をやり過ごすが、この場に縫い止められているのも同然だ。 「砲撃が止んだ………ッ!?」 片桐がマガジンを入れ替えている隙に防御体勢を解き絶句する。 一見出鱈目に放たれた砲弾の雨は守屋機だけで無く、大地にも降り注がれ 綺麗に整地されていたスタジアムは見る影も無い程、無残な姿に変わり果てていた。 だが、今の守屋には変わり果てたスタジアムの姿を認識する事が出来ない。 何故か? 執拗なまでに降り注がれた弾幕の雨によって、盛大に巻き上げられた土煙と土塊は スタジアム全体を覆い隠し、一寸先すら見る事も叶わないのだ。 土煙の結界。または砂塵の牢獄とでも形容すべきか。 戦闘兵器の意匠を凝らしただけの競技用の砲弾で此処までの事が出来るのか? いや、競技用の砲弾で、これ程の芸当をやってのけるとは。 これまでに経験した事の無い状況に守屋は片桐の発想にただただ驚嘆する事しか出来ない。 「これは一体、どう動くべきか…?」 驚嘆ばかりもしていられないのだが、突拍子も無い展開に二の足を踏めずにいると爆音と共に砲弾の洗礼が再び降り注がれる。 視界が最悪なのは片桐も同じ筈にも関わらず、迫り来る砲弾は先程とは比べ物にもならない正確さで守屋機を捉える。 片桐が放った砲弾は7つ。その内の2つは地を抉り、3つはシールドに阻まれ、2つは左肩と右膝を捉えた。 「そりゃ、同じ場所にずっと突っ立ってりゃ目隠ししたって当たるに決まってるよ!」 「ダメージになったのは2発だけだ。下手糞。」 負け惜しみも良い所だ。兎に角、いつまでも立ち尽くしていては蜂の巣にされてしまうだけだ。 幸い、砲弾によって切り裂かれた砂の結界が片桐が居る位置を教えてくれる。 跳躍力では遅れを取ったが、瞬発力はアイリス・ジョーカーに分がある。 守屋機は砲弾によって作られた道を辿り真っ直ぐに爆走する。 撃ちたければ撃てば良い。一発や二発で撃ち落される程、柔な機体では無い。 それに単純な損傷の度合いで言えば、片桐の方が上だ。 どんなに傷付けられても片桐に追いついた時、腕なり脚なりが動けば逆転は容易い。 「なんだ。3発は防がれたんだ。今度こそ、これでおあいこ…かな?」 爆音が立て続けに7回鳴り響き、吐き出された砲弾は背後からアイリス・ジョーカーに襲い掛かる。 「後ろを取られただとッ!?」 外れた4発の砲弾は大地を蹂躙し、残る3発は守屋機の後頭部、背部、腰部に喰らい吐き盛大に転倒させる。 「あんな見晴らしの良い所を真っ直ぐ、走ってるんだもん。そりゃ狙うに決まってるっしょ! それよりも、これでお互いに直撃5発。これで振り出しかな?」 何が振り出しなものか。視界は最悪だというのに、片桐は守屋の姿をはっきりと捉えた上に 音も無く守屋機の背後に回り、見事に頭部を撃ち抜いたのだ。 だが、頭部を撃たれたとは言え、視界が一瞬明滅しただけで破壊には遠く及ばない。 「一発や二発、首を撃たれたくらいじゃ破壊はされんか…」 わざと声に出して呟く。声は震えていない。声が裏返ったりもしていない。 いつも通りの、普段通りの自分だ。ただの杞憂らしい。 何が杞憂なのか? (矢張り、負ける気がしないな。) 絶対的に不利な状況。だと言うのにも関わらず、守屋は諦める以前に己が敗北する事など全く考えていない。 厳密には考え付かないでいた。この状況でも、己が敗北するイメージが全く掴む事が出来ないのだ。 不利な上に猛暑のせいで、遂に頭がイカれたのか?それとも、無意識の内に虚勢を張っていたのか? そんな不安があったのだが、どうやら普段通り過ぎる程、いつもの自分だ。だったら普段通りにやれば良い。 そう片桐の言った通り、これでおあいこ。ただ振り出しに戻っただけに過ぎないのだ。 ぶつかり合う一年生。交差する砲撃と鋼拳。 だが、守屋一刀を良く知る二人の男。守屋を圧倒する二人の男は違う感想を持つだろう。 加賀谷望。そして、矢神玲の両名がこの場に居たら口を揃えてこう言う筈だ。 『アイツは追い込んでからが厄介なんだ。』 結果だけを見れば確かに華々しい戦果と言えよう。 結果だけしか見ないから守屋一刀の本質を見間違えてしまう。 確かに過去の戦績を遡ってみると、綺麗な勝ったり圧倒的な勝利を納める事は滅多に無い。 戦えば必ずと言って良い程、機体を壊す。メーカーの工場で修理を依頼した回数も少なくは無い。 この場に矢神が居たら、加賀谷と同じ事を言っただろう。 「アイリス・ジョーカーが転倒した時点で徹底的に追撃するべきだった。 最早、イーゼル・イェーガーに勝ち目はない。」 守屋機はありとあらゆる箇所に砲撃を受け無残な姿に変貌している。 あまり良い傾向では無い。だが、そんな事はいつもの事だ。 (精々、いい気になってぶっ放していれば良いさ…) 砲撃に晒されながら状況を整理する。イーゼル・イェーガーを撃破する為に。 装甲が弾け、欠落していくが放っておけば良い。結果的に奴を殴り飛ばせば帳尻は合うのだから。 それに砲弾に晒され続けるのも悪い事ばかりでは無い。 立て続けに放たれる砲弾によって砂の結界は切り裂かれ視野が広くなる。 「成る程…そういう事だったのか。」 結界と形容してはいるものの、所詮は白煙、土煙、土塊を巻き上げて作った粗悪品だ。 目暗ましその物が有効な手段とは言え、容易く破綻する。 それを理解していたからこそ、片桐は意図的に地を抉り結界の再生を行っていた。 それなのにも関わらず、破綻したのは何故か?何故、守屋に見破られたのか? 片桐は見てしまったのだ。砂の結界の隙間から転倒するアイリス・ジョーカーを。 アイリス・ジョーカーの装甲が欠落する様を。そして、興奮気味に己の勝利を確信する。 後、数発も砲弾を叩き込めば、勝利出来る。あの守屋一刀に。 片桐は興奮状態に陥り只管、砲弾を撃ち込む。自身の攻撃で砂の結界が薄くなっていく事も気にせず。 結界など無くても自分の勝利は確定的だ。結界の事なぞどうでも良い。 勝利への確信と興奮が片桐から冷静さと判断能力が欠落していく。 矢継ぎ早に砲弾が撃ち込まれるが、何処から来るのか分かりさえすれば避けられないにせよ対応は難しくない。 「とは言え…応用力に関しては片桐の方が上か。俺もまだまだだな。」 密度の薄くなった結界の外側から、此方に銃口を向ける片桐機を見て、またも驚嘆する。 片桐はMCI機の中でも随一の跳躍力を生かし、守屋機を中心に跳び回りながら空中で砲撃を浴びせていたのだ。 更に発砲時の大き過ぎる轟音を利用し、着地時の衝突音を掻き消し、音も無く背後に回ったかのように見せかけた。 常に鳴り響く発砲時の轟音は音が大き過ぎて、逆に位置の特定が出来ないという性質を利用したのである。 それだけでは無い。MCI搭載ギアは性質上、陸地での格闘戦が主となる。 空中戦を行うという発想が無い。それ故に、常に目線は前後左右。試合中に空を仰ぎ見る癖が無い。 だから多くの選手は対戦相手が上に居る筈が無いという固定概念に囚われる。 互いに生身で戦っているのでは無くギアで戦っているのだから人間と同様の戦い方をする必要は無い。 メーカーや、製造時期、開発コンセプトによってギアの性能は実に多彩で、その性能を引き出す為には 生身の人間同士の時のように戦うだけが全てでは無いし、それだけでは強豪選手に勝利する事は出来ない。 勝手にギアの戦い方を決め付け、自分自身の力だけで戦い続けて来た結果がこの様だが ギアの応用力や限界に対する認識を改めさせられたのは大きな収穫だ。 何より、今やるべき事は後悔したり感心する事では無い。そんな物は寝床の一人反省会の時にやれば良い。 今やるべき事。それは… 「さて…勝ちに行くか。」 片桐が使っている手品は全てタネを明かした。片桐は丸裸にされたも同然。 だが、思考は乱さない。冷静且つ、油断無く片桐機を追う。 砲撃を警戒しつつ、機体を走らせていると銃口を此方に向ける片桐機が見えた。 まるで自分が狩る側だと言いたげに無防備な姿を晒し攻撃を当てる事だけに集中している。 キャノンライフルが周囲に爆音を轟かせながら、巨大な砲弾を吐き出し 守屋機の頭部を食い破ろうと砂煙を、土塊を切り裂きながら猛進する。 片桐は迫り来るアイリス・ジョーカーの事など露知らず、嬉々として砲弾叩き込み、 弾が切れてはマガジンを入れ替える作業に没頭していた。 もしも。そんな言葉に意味など無いが、もしも、片桐が守屋機の姿だけで無く、進行方向も確認していれば 先程から守屋機が居るであろう予測位置にマガジン2発分の砲弾を叩き込んだにも関わらず AIが試合終了のサインを。片桐の勝利を宣言しない事に疑いを持てば違う結果にもなったのだろう。 片桐は着地と同時に新たなマガジンを挿入。最早、動き回るまでも無い。棒立ちで発砲し続ける。 確かに格闘戦能力の高さだけに事関して言えば、最強の相手だったと認めよう。 だが、それでも、この私に撃ち落されて終わる事には違いは無い。いつもの対戦相手と何が違う? 機体の頑丈さも認めてやるべきか?などと思いながら最後のマガジンを装填する。 「え…?最後…?」 有り得ない。今回用意したマガジンは7個。この一戦で使い切る為に用意したわけでは無い。 7つもあれば二戦くらいは無補給でいけると思って事前に持ち込んでいたのだ。 此処に来て漸く、片桐は異変を感じ取る。 「守屋君を追い込んで、トドメを刺すつもりで…」 散々、発砲しまくった挙句、最後のマガジンを装填した。 片桐は大粒の汗を滝のように流しながら、情報モニタを確認する。 興奮しまくった挙句、発砲しまくって自分が勝った事に気付かず、アイリス・ジョーカーに追撃を仕掛けた。 いくら競技用の弾頭とは言え、これだけの直撃弾を与えたのだ。大怪我をさせているかも知れない。最悪の場合… だが、情報パネルはアイリス・ジョーカーの健在を示している。 「これだけ撃ったのに!?なんで、撃破出来てないの!? って、そもそも被弾していない!?なんで!?どうなってるの!?」 MCIギアに搭載されている簡素で粗悪なレーダーがアイリス・ジョーカーの現在位置を表示した。 そんなレーダーが相手ギアの現在位置を捉える事など出来る筈が無い。出来るとすれば… 片桐が狼狽していると突然の衝撃がコクピットを揺さぶり、イーゼル・イェーガーのモニターがブラックアウトする。 「な、何…どうなってるの、これ…」 「敵が前から来るとは限らない。片桐と同じ事をやっただけだ。」 イーゼル・イェーガーは首を切り落とされ、糸の切れた操り人形のように地に崩れ落ちた。 大見得切って頭部を刎ね飛ばしたは良いものの、改めてステータスパネルを確認すると普段通り、最悪としか言い様が無く グリーンランプなんて物は相変わらず無縁で、全身レッドとイエローの見事なコントラストで彩られていた。 ついでに派手に動き回ったせいで、衝撃緩和剤の特盛も完食寸前。 (五体満足で勝てたのはある意味進歩か?) 「あーもー、悔しいなぁ…って言うか、飛び道具は苦手なんじゃないの!?」 「一度、攻略の糸口が見つかればいくらでも逆転出来るさ。 それと手加減している癖に戦い方が一々、雑過ぎる。」 攻撃が雑な上に集中力が持続しないのは本人の問題なので、それはさて置き 片桐が、もっと姑息に無慈悲に攻めていれば守屋を容易く撃破出来ていたであろう。 にも関わらず、特に前半は此方の能力を測るかのように観察しながら戦っていたように感じられた。 「べ、別に舐めてたわけじゃないってば…」 片桐は怒られた子供のように小さくなるので、守屋は別に怒ったつもりは全く無いと肩を竦める。 「州大会でやり合う相手なんだし?色々と出し惜しみさせてもらっただけだよ。」 「成る程。だったら、次にやり合う時は全て暴かせてもらうさ。」 どんな手札を持ち出そうと、今回と同様に正面から叩き潰してやれば良い。 それにアイリス・ジョーカーがボロボロになるのは何時もの事だ。 何もかも普段通りなのだから州大会でもボロボロにしたり、されたりしながら敵を倒せば良い。 統合歴329年8月5日 「まさか残りの合宿期間を丸々、遊びに使うとは…」 宝仙高校のスポーツギア部に別れを告げ、八坂高校スポーツギア部のメンバー達は 当初の目的…では無いが、それなりにお目当てになっていた海水浴場へと訪れていた。 加賀谷の入手した情報によると守屋達の行動可能範囲でまともな練習相手になりそうな高校が無いそうだ。 あんまり雑魚ばかりと戦っても仕方が無いし、あまり手の内を晒すような真似もしたく無いので遊んでしまえという事らしい。 些か物足りない気分もするが、青い空の下で青い海に浮かんでいると、こういうのも良いかと戦意が薄れてくる。 「ま、頑張った自分へのご褒美って事で!何だかんだで全勝中なんだって?」 「そういう霧坂こそ、一度も撃破されていないんだってな?」 加賀谷曰く、霧坂はSCI乗りの一年生の中では、この界隈でトップクラスの技量を持つらしい。 「そりゃ、加賀谷部長のスパルタ訓練メニューだって毎日こなしているし 対人戦の回数と人数だけなら守屋君よりも上なんだからね。」 そう言うと霧坂はそれなりに豊満な胸を張り、得意げな笑みを浮かべる。 「成る程…そういや、霧坂とはまだ実機でやり合った事無かったな。」 良い感じに揺れる霧坂の胸には目もくれずに波に揺られながら、顔を合わせる事も無く青空を眺めながら口を開く。 初めて、シミュレーターで対戦した時は悉く、動きを読まれ左腕を破壊され胆を舐めた事を思い出す。 「守屋君がSCIに乗るんだったら相手になるけど?」 まるで守屋の態度が、お前には女としての魅力は全く無いが、搭乗者としてならアリだと言っているようで 流石の霧坂も表情を憮然とさせる。卑猥な表情で見らるのも勘弁だが、女としては矢張り誉められたいものである。 「無理を言うなよ。」 そんな霧坂に気付いた様子も無く守屋は半笑いで勘弁してくれ降参だと両腕を上げる。 「さらりと恐ろしい事言うからだよ。それよか他に言うべき事があるんじゃないの?」 「あ?ああ…可愛いな?」 「あー…」 さり気無い所か直球で誉めろと言わんばかりの態度で守屋に迫るが、お気に召さない所か何の感慨も無いらしく 浴衣姿の時とは打って変わって、適当に取って付けたような誉め言葉に霧坂は憤慨を通り越して軽く眩暈がした。 一先ず、海パンを奪い取り、そこいらに居る女の子を手当たり次第に呼びつけて 守屋を晒し者にするのは基本としてどうやって報復してやろうか。 それともアレか?根本的な考え方が間違えていたのか? この場合、ハイレグビキニでは無く、スク水を着てくるのがベターだったのか? (何で、私が守屋君なんかの為に、そんなモノ着てあげなきゃいけないのよ。) そもそも、守屋がそんな事を望んでいる筈も無く、ただの言いがかりでしか無い。 そんな感じに失礼な事を思案していると、守屋と霧坂を呼ぶ三笠の声が聞こえる。手には海の定番アイテムである西瓜が。 何か最近、コイツ等仲良いなとか思いながら守屋の後に続いて三笠の元に向かうと守屋の鍛え上げられた背筋が目に付く。 見事に鍛え上げられてはいるが生憎と地上最強の生物程では無く、鬼の形相の様な背中では無い。 意外と普通の人間と大差無いんだなと少しばかり残念な気分に陥りながら、定位置である守屋の左隣に並んだ。 ↓ 感想をどうぞ(クリックすると開きます) +... 名前
https://w.atwiki.jp/compe/pages/259.html
レヴィ・ザ・スラッシャー 性別 女の子 一人称 僕 概要 外見はフェイト・テスタロッサの色違いで髪の色は水色で先端は前髪以外は青みがかった黒になっている。瞳の色はワインレッドでツリ目がかっている。リボンの色は青、スカートの色は水色でマントの裏地やベルトなどフェイトで赤い部分が青くなっていて、デバイスのバルニフィカスはバルディッシュの黒鉄色部分が紫でコア部分の金色は水色となっている。 性格 フェイトとは中身が結構違う。一人称が僕で、 ええと、闇は何度でもよみがえるぞ!(キリッ 僕も王への道をあきらめたわけじゃない!(キリッ いずれ、またきっと!(キリッ と、クールでかっこよくしようとしているがどこか抜けてる僕っ子。 非常にノリが良く遊びたい盛りの子供といった所でイライラしていたアルフに癇癪をぶつけられ泣き出してしまうなど甘えん坊な面も強調されているディアーチェやシュテルの事は大好きらしい。明るく元気であまり物事を考えない性格。思ったことをすぐ口にしてしまう性格でもある。 性格や言動 思考はまさに無邪気で陽気な子供そのものだが、フェイト達にした砕け得ぬ闇の説明や自分の姿を不思議に思ったリニスに対して自分達の存在の説明を専門用語をまじえて相手にわかるように言える事や自分の考えをしっかりもっているなど、頭が残念と説明されているが決して頭が悪いわけではない。またヒーローのような言動を好む。撫でられるのが好きらしい。 能力 デバイスはバルニフィカス。「破砕斧 バルニフィカス.クラッシャー」「大鎌形態 バルニフィカス.スライサー」「超刀 バルニフィカス.ブレイバー」へとモードチェンジする。 戦闘衣服は襲撃服(スラッシュスーツ)。 電刃衝(でんじんしょう) … フェイトのプラズマランサーと同じ。連射が可能な光の弾を放つ 光翼斬(こうよくざん) … フェイトのハーケンセイバーと同じ。回転する魔力刃を飛ばす 天破・雷神槌(てんは らいじんつい) … フェイトのサンダーレイジと同じ。収束するリングを放ち十字の電撃を見舞う フルドライブバースト:雷刃滅殺極光斬(らいじんめっさつきょっこうざん) … フェイトのジェットザンバーと同じ。衝撃波で相手を攻撃した後雷の力を収束した大剣で斬り伏せる 詠唱 / 「砕け散れ!雷神滅殺!きょっこーーーざん!」 雷光輪(らいこうりん) … バインド 光翼連斬(こうよくれんざん) … デバイスを素早く振るい縦回転する魔力刃を2つ飛ばす 雷光輪・追の太刀(らいこうりん ついのたち) … ザンバー状にしたバルニフィカスを振り下ろし魔力刃を飛ばす 雷光輪・追の太刀 極光(- きょっこう) … 同じくザンバー状にしたバルニフィカスを振り下ろし魔力刃を飛ばし、十文字に斬る 雷刃爆光破(左手から大きな雷の光球を出し相手にぶつける) フルドライブバースト:雷刃封殺爆滅剣 (らいじんふうさつばくめつけん) … 複数の大きめの雷の光球をいくつもの剣に変えて相手に突き刺し炸裂させる 詠唱 / 「いくぞ!パワー極限!雷刃封殺爆滅剣!」 特殊詠唱 / 「轟雷爆滅!」「エターナルサンダーソード!相手は死ぬ!」「イグナイトスパーク!」「行くぞぉ、ずっきゅーん!」 スプライトフォーム … 攻撃性能、機動力アップ、防御力大幅ダウン、フェイトでいうソニックフォーム、スプライト(Sprite)とは「空の妖精」という意味。 把握媒体 ゲーム 魔法少女リリカルなのはPORTABLE-THE GEARS OF DESTINY- 漫画 魔法少女リリカルなのはPORTABLE-THE GEARS OF DESTINY-マテリアル娘。
https://w.atwiki.jp/sanntyo/pages/32.html
War Age とは?? PvP(Player vs Player)が行われる対人エリアです. PlayerはB(Bisque)・E(Elgadin)両軍に分かれて,勢力間戦争形式で戦うことになります. 今回は,とりあえず対人してみたい!!という方向けに準備から実際に出撃して戦う流れだけを述べます. そのため,かなり端折るので細かな点やわからないことはワラゲ民に聞いていただければと思います. 1. 軍属しよう!! Playerは最初はどちらの軍にも所属せずN(Neutral)といった中立の立場になっています. このままでも出撃は可能ですが,Nでの出撃は様々な制限がかかります(タルパレ,ヌブ村から出撃.他のNには攻撃が当たる.アイテムドロップも多い等々). これらの理由から慣れるまでは大人しく軍属することをお勧めします.拠点の違いはありますが、特にどちらかの方が良いとかはないと思われるので好きな方で結構です. ただ,War Ageは教えてくれる人がいて初めて深くのめり込めるエリアだと思います.知り合いのいる軍がお勧めかもです. 2. 準備しよう!! 軍属したら,まずは装備を整えましょう. <防具> 何を装備したらいいのか??着こなしスキルはいくつにしたらいいのか??このような疑問が生まれると思います. 少しスキル構成の話にも関わるのですが,そもそも決定していく順番としましては,1. 何を装備したいのか,2. 装備したい防具の必要着こなしスキルに合わせて着こなしスキルを決定, といった流れになっております. なぜこのような決め方になるのかと言いますと,着こなしスキルというのはたくさん取れば取るほど確かにACは上がるのですが,ほとんど誤差程度であるためです. 現在の脳筋の主流は着こなし91(トールorベヒモス)回避0,着こなし71(プレート)回避0or100,着こなし56(ドラスケor階級装備)回避100であるように思われます.(あくまで脳筋での話です.メイジ等の他構成においては,この限りではありません.) <武器> 武器は単純に装備できる武器の中で一番威力が高いのを選んでいれば問題ないかと思います.(例外もありますが…) 以下、各武器の推奨武器を簡単に紹介します. 刀剣 無難にクレセントアックスで問題ないかと思います.ただし,刀剣単武器の場合はお金があるならソードオブインフェルノ,お金がないならエルアンソードかなーと… またCSやスタブにはデスぺ仕込んどくと,レンジがかなり広くなり,当てやすくなる. 槍 方天画戟が強い.調和槍とかだとディレイが短いモニランスがいい.レンジを目測できるならパイクも良いかも. 棍棒 グラスラでオッケー.アタックモーションでかいーって人は,アタックだけヘビーポールとか. 素手 タイマンだとカイゼルが強いが,集団戦や追撃などにビリパンは結構強力.左手はスラストナックルでいいんじゃないかなー… とか書いてたけど,右手武器はカイゼルじゃないと着こなし相手は落とせない感じがある.素手アタックビリパンだけだと私は無理でした.他武器で火力補わないときつい. 銃器 チェイスーガンが当たった時の火力やばい.ただ銃器はどのスキル帯の武器でもそこそこ火力出るので,半端上げなら半端上げでおいといて,そのスキルで使える武器選べば火力は十分出るかと思います. <盾> 盾はよっぽどの理由がない限りエルアンかと.また,ACがしっかり確保できているなら,片手武器ならグラディエイター,両手武器ならウォーに出す盾技によって使い分けると,貫通ダメが減って安定するかも. <アイテム> 何を回復手段にするかで変わってきますが,GHP,GSPはとりあえず持っておきましょう.あとは,buff飯やいらないアイテム等で枠を埋めてドロップ対策くらいか. 3.出撃しよう!! 準備ができたら戦場へいよいよ出撃です.勢力CHに入り,アルターから各ccに飛んだり,拠点から直接出撃して,敵対勢力を見つけたら倒していきましょう. 最初はSoldier以上の階級メダルを自軍給料長に渡さないと,アルターから各ccには飛ぶことができないようになってます. なんとかして手に入れましょう. 4.死んでしまったら… 死んでしまうと,ルートされる前にリザかからない限りヌブ村に戻されます.この時,階級に応じてアイテムを数種類ドロップします. アイテム・装備は消耗品です.ドロップしたからとイチイチ気にしない.気にしてしまうような大切なものは持ち込まないようにしましょう. こういう面ではシップ装備はドロップしないので補給が楽です.(ただし,シップ装備は性能は基本的に同スキル帯の装備と比べて低め) まあ,大雑把ではありますが流れとしましては,こういった感じかと思われます. とりあえず,出撃してみてWarの空気を感じてみてください. 間違い・気づいた点等ご指摘ございましたら,改良していただくと助かります. このページを見て,対人に興味を持っていただければ幸いです.
https://w.atwiki.jp/gearsofwar2/pages/63.html
日本語版発売に伴い、大量の新規購入者が見受けられるため、 新規離れを防ぐためにも、ぜひ経験者の方々は惜しまず 各々のテクニックを書いて、上達の近道を指し示して欲しい。 初めに 面白そうなゲームだから買ったのに、オンラインでわけも分からない内にボッコボコ・・・もう心が折れそうです・・・と思っているそこの君。 現在オンラインには、アジア版発売日から毎日数時間やっている、上級変態虐殺者5人組 vs ひよっこ新兵5兄弟 なんてことがよくある。 しかし、思い通りにキャラを動かせるようになったら、必ず面白いと思えるようになることは大多数の人々が保証済みなので、どうか長い目でプレイして頂きたい。 キャンペーン、ホードとの違い キャンペーンやホードである程度慣れたと思い、対戦をやってみると、相手を倒すどころかポイントも入らないまま死亡…というのは、初心者によくある光景。 対戦とホードでの一番の違いは、敵の体力が回復するかしないか、ということ。 回復しないホードなら、要は一発でも弾を多く当てれば、いつかは敵は倒れる。 しかし対戦では、敵はダメージを受けたらカバーして回復してしまう。たとえ10000発の弾を当てても、そんなことを繰り返していれば、ダウンを奪うどころか1ポイントも入らない。 この状況を打破するには、敵の姿が見えているうちに、一気にダメージを与える必要がある。 つまり、至近距離のショットガン、味方との十字砲火、強武器の一撃死などである。 とにかく、遠くからパラパラとランサーを撃っているだけでは、子供に足を引っ張られるほどの脅威もないこと、常に敵が嫌がるであろう方法を考えることが勝利への第一歩であることを理解しよう。 予備知識 ランサー、ハンマーバーストなどの武器は、動きながら撃つと集弾性が落ちる。 体力の減った敵を狙い撃つときは足を止めてしっかり決めよう。 ショットガンをLTで構えて一拍置いてから撃つと、集弾率が格段に上昇する。 中距離で非常に強力なので、集弾のタイミングを覚えよう。(前転、横転などの後数秒間は集弾しなくなることに注意) ショットガンを装備してしばらく歩いたり、リロードをすると、キャラがショットガンを横に構えた状態になる。この状態でLTを押さずに撃つと、正面に構え直してから撃つため、実際に弾が出るまで時間差ができてしまう。LTを一瞬押したり、一発撃てば解除されるが、ショットガンの使用に違和感を感じている人はここらへんが原因かも知れないので、気をつけるといいかも知れない。 Aボタンダッシュをする際、間に前転を挟むとさらにスピードが上がる。 強武器の奪い合いの際などは特に重要。 近づくだけでキルできるチェーンソーは、場面によっては非常に頼りになるが、相手の銃弾を一発でも受けたり、ダメージが残ってる間は発動できない。 真正面から切りかかるのではなく、待ち伏せ、混戦中の使用が望ましい。 ミートシールドやシールドはスモークグレネードで解除可能。シールド持ちと一対一で撃ち合ってもランサーやショットガンでは削りきれない。グレネードがないなら一度退避し、別の対処法(強武器を取りにいく。仲間に援助を求める。裏をとってチェーンソー等)を検討しよう。 オプションの照準感度だが、ズーム感度以外は「高」が推奨される。 これが遅いと、相手のカバーキャンセルを用いた動きなどに照準が追いつかない。が、シューティング初心者で、照準が「滑る」ような人は、低感度で慣らすといい。 感覚的なものとして、FPS・TPSでは、現実と比較して、移動(左スティック)=足の動き 視点移動(右スティック)=アゴの動きに相当する。 理想を言えば、自分の視線と画面の照準がぴったりリンクするようなスティック捌きが要求されるが、経験が必要なので意識して練習しよう。 他のゲームと違い、キャラの体力がゲージなどで分かりやすく表されておらず、ダメージの多少は全て、画面中央の赤い円の出現具合で判断しなければならない。自分があと銃弾何発でダウンしてしまうか、感覚的に把握しておくといい。しかし、体力に余裕があるのにすぐ頭を引っ込めてしまっては、チーム全体の攻撃効率が低下してしまうため、なるべくダウンギリギリまで攻撃は続けよう。 このゲーム(特にマルチプレイ)で重要な技術は、精密なエイミングより、状況判断と位置取りである。ショットガンなどはオートエイムがよくかかり、銃弾を全て避けきることは難しいため、相手と正対するまでの過程でほぼ勝敗が分けられてしまう。逆転要素も無いわけでは無いが、腕が伴ってこそ偶発的に起きるもので期待できない。 1ラウンド全体が制限時間つき詰め将棋のようなものなので、迅速な行動を心掛けよう。 ダメージを与えた敵が隠れて出てこない、敵に接近するまで距離がある、カバーポジションで体力の回復を待っている・・・これらは全てリロードするべきタイミングである。 いざ敵が目の前にいるのに弾が切れてしまったのでは、さすがの議長も苦笑いである。1,2秒余裕が出来たら即座にリロードしておくのが吉。パーフェクトリロードできれば威力もあがるしね。 また、あらかじめ弾倉を空にして、敵が見えたらパーフェクトリロードで威力アップして応戦、というテクニックもあるが、それができるならここを見なくていいレベルなので、いつか上手くなったときのために頭の隅にでも置いておくといい。 立ち回り LBで仲間の位置確認、セレクトで敵味方の生死確認。 基本的には味方と一緒に行動しよう。つかず離れず動き、いつでも援護できるように。ダウンした味方は積極的にxボタンで助ける。イメージとしては、警察などの特殊部隊のような意思統率された動き(レインボーシックスベガスみたいなやつ)が望ましい。 ラウンド序盤の、戦闘中の区域を大別するなら、主に 主戦場(強武器付近がこれになりやすい)、 不意打ちルート(主戦場を挟撃しようとするプレイヤー同士の戦闘) 副戦場(準強武器、フラグなどサポート武器を取ろうとするプレイヤーの戦闘) に分けることができる。 そして初心者の人たちに気を付けて欲しいことは、各種ルートの人数配分と、いずれの戦闘にも参加していない時間を減らすことの二つである。 一つ目についてだが、たとえば、不意打ちルートや副戦場に3人も4人も割いてしまっては、強武器を取られるばかりか、不意打ちも警戒され失敗に終わる場合がある。自分のいる集団の目的をしっかり把握し、役割を理解しながら動こう。 二つ目は、簡単に言えばマップを覚えろ、ということである。味方が戦闘中に、関係ないところでうろうろしていては、初めから4 vs 5で戦っているようなものある。上の人数配分に通ずるところもあるが、せめて的ぐらいにはなってやる、ぐらいの気概で望みたい。 カバーアクションを常に活用する。棒立ちではあっという間に蜂の巣にされ、運よく逃れても追い討ちで結局ダウンする。 攻撃・防御の際どちらも、周りの壁は動かせない盾のように扱う。 周りを常に警戒し、視野を広く持つ。FPS・TPSにおいては、視線が通る=攻撃が届く ため、先に相手を見つけられれば、それがそのまま先手を取れることに繋がる。 勝てないと思ったら即座に逃げることも必要。体力の回復を待ち、仕切りなおしを図る。間違っても画面が真っ赤な状態で正面対決しないこと。 また、カバーポジションなどから不用意に顔を出さず、余計なダメージを受けないこと。 強武器 マップに置いてある武器は、ものにも依るが非常に強力で、一騎当千の役割を果たすため、ほとんどの試合はこれを巡って展開していく。 この流れに乗り遅れないためにも、マップの構造と武器配置はなるべく覚えよう。また、誰も使ってない場合は積極的に拾って、練習しておくといい。 画面左下の武器取得ログにも気を付ける。特にトルクボウ、ブームショットなどが敵に取られた場合、中距離以遠から一方的にキルされる可能性があるため、細心の注意を払う。 フラググレネード、スモークグレネードを投げ込まれた場合は、軌道をよく見てAボタンで避ける。慣れない内は敵が何か投げたらとりあえず転がるといい。 そして、グレネードの類いは壁に設置することで地雷と化すため、設置音が聞こえたら壁や地面、曲がり角先を注意して見る。 ちなみにこれらは、銃で撃ったり、わざと起動させて即後転などで除去可能。 武器の性能を知り、その武器それぞれの勝ちパターン、相手に使用された際の対処を想定する。火炎放射器持ちに正面から突っ込んだり、スナイパー持ちに棒立ちで銃を撃つのは死亡フラグの体現者である。 自分が強武器を取る場合は、周囲に隠れている敵や援護してくれる仲間がいるか注意。 敵に取らせないことが重要。こちらに強武器があるだけで自軍のデス数は減るので、自分じゃ使いこなせないから譲ろう・・なんて思わないでチャンスがあればどんどん取るべし。 状況別対処 攻撃されている。相手の位置は分からない → ダメージ表示から相手の方向に大体見当を付け、相手から見て真横に横転する。 その後物陰に隠れたり、ジグザグに走ったりして回復を待つ。そのまま相手が勝負を決めに来る可能性があるため、状況を見てショットガンに切り替えておく。 こちらに気付いてない敵に弾けっこう当てた。距離は中くらい → 体力差を活かしてさらに接近してダウンを狙う。 拓けた場所ならアサルト類、入り組んだ場所ならショットガンで追い討ち。 近付き過ぎると殴り、ショットガンなどで逆転されてしまうので少し距離を取る。相手が二人いた場合は返り討ちに遭うため、無理はしない。 お互いカバーポジションで睨み合い。ダメージはどちらもゼロで近中距離 → アサルト類では決定打に欠けるため、ショットガンで致命傷を狙う。 LTでしっかり集弾させてはずさないこと。またこちらの射撃の合間を縫って接近してくる場合もあるため、心の準備をしておく。 何かキリキリ音が聞こえる。周りを見ると何か遠くで光っている。 → 近作の問題児 次男のトルクボウです。(長男はブームショット)体に一発食らったら即アウトの強武器ですので、光がこちらを向いていたらすぐさま死角に隠れること。直撃も去ることながら、爆風のダメージもかなりのものですので、気持ち深めに物陰に潜ること。 各武器のコツ ランサー → ハンマーバーストと違い攻撃力が低いので、敵の動きを予想して長く当て続けないとほとんどダメージは通らない。 確実に頭を狙えると強くなるが実戦ではなかなか難しい。 2,3人で同じ相手を狙うとかならまだしも、一人で使うにはどうしても対戦には向かない。 チェインソーは即死だが、すぐ潰されてしまうので待ち伏せや乱戦中などを狙わないと当てづらい。 Blood drive、Mansionなど遮蔽物が多く身を隠しやすいマップで活躍する。 ハンマーバースト → 対戦では基本的な中距離武器。 Pリロで連打した時のブレは抑えれるので、ブレダウン製造機になる。 速く撃つにはRTを完全に押し込まず、半押しで連打するのがコツだと筆者は思う。 逆にフルオートはダウンした相手を倒す時くらいしか使わない。 ランサーとは逆にCourtyard,Jacintoのような見通しのいいマップで使いやすい。 ショットガン → 初心者は中距離から撃ったりすることが多いが、敵が弱ってないかぎり意味ないのでやめよう。 常にどこに弾が着弾するか、相手とのラグを考慮して一発一発狙って当てよう。左スティックと右スティックを同じ方向に動かすと、大きく体がブレて、敵の弾を避けやすくなり、ショットガンダンスで有利になる。 できるだけ事前のPリロを心がけるのが大事。対戦では最も重要な武器だろう。 スナブピストル → 連射しても銃口がブレないので、弾の軌跡が分かっていればかなり当てやすい武器。 主に肉盾のときに使うと思うが、殴りからの連射でダウンをとりやすい。 威力が低いのは否めないのでしっかり頭を狙っていこう。 ボルトックピストル → 体3発、もしくは頭1発から体1発でダウンする隠れた強武器。 体1発から頭1発、もしくは頭2発ならそのままヘッドショットで相手は死ぬ。 Pリロで連射が飛躍的に速くなるので、エイミングに自信があるなら積極的に使っていきたい。 ゴーゴンバースト → 対戦には向いてないと思う。アジア版だとかなり強いが…。 肉盾を持っている時くらいしか有効な場面が無い…。 フラググレネード → 1個だけ投げても大抵避けられて終わるので、2個を相手が逃げられないような間隔で投げる。 1個目を相手に向けて投げ、2個目を敵が逃げそうな所へ投げ込む。 地雷は強いが、通路の曲がり角など、いかにも仕掛けてありそうなところは避けられやすいので、曲がり角からちょっといったところや、逆に通路のド真ん中など、意表を突くところが実は当てやすかったりする。 つまり地雷は当たるも当たらぬも八卦。 インクグレネード → 初心者は威力をあなどってとりにいかないことが多いが、強武器の真ん中、相手が篭って撃ってくる場所など、牽制としても決定打としても役に立つ。 投げたあとは放ったらかしにしないで、ダメージ受けた敵をちゃんとダウンまで追撃すること。 直接刺せば確実にダウンさせられるので、死亡覚悟で刺すのも一つの手。 刺したインクではトドメをさせないので注意。 ブームショット → 日本語版では最強の武器。この武器をとったチームが高い確率で勝つ。 率先して取りに行くべき。 敵に直撃させることは難しいので、地面にあてて、爆風で攻撃するのがセオリー。 ダウンした仲間を助けに来た敵ごと爆破したりと複数巻き込むこともできる。 またPリロで爆風がより強力になるので、できれば狙いたい。 トルクボウ → よーく狙って撃ちたい武器だが、3秒くらい狙うとほぼ誰にでも気付かれるので、撃つ前に大体の目星はつけること。 Pリロで引き絞る時間がかなり短縮できるのでそれを活用する。 初心者は敵に直接当てようとするが、地面に刺した爆風も十分致死量を狙えるので、敵がカバーしてる場所ではその足元を当てた方がいい。 スナイパー → 初心者では100%役に立たないのでとらないのが無難 取って良いのは何も知らない初心者か、HSが狙える上級者だけです。 使える場面はGuardianでリーダーになって籠る時くらいか。 火炎放射器 → 撃っても後ろに逃げられることが多いが、室内などの狭いマップでは活躍が期待できる。 対戦ルール別アドバイス Warzone → ダウン状態からキルできるためか、ハンマーバーストランサー撃ちあい合戦になることが多い。身を晒しているとあっとういうまにやられるので、すぐ隠れられる位置取りを心がけしよう。また、強武器を拾おうとしてくるところを狙ってくるプレイヤーもいるのでスモークを投げ込んだり、味方と一緒にむかったりしよう Submission → 難民はコンピューターなのでエイミング力が尋常じゃないので気をつけること。つれていく場所は武器が落ちているところなので、どこになにがあったかきちんと把握しておくこと。また、リスポーン地点の近くに間違っても難民をつれて通らないこと Execution → どのルールでもいえることだが、強武器の奪い合いにはきちんと参加しよう。そして、初心者に得に気をつけてもらいたいのは、味方のとおせんぼをしないということ。開幕ダッシュの時先頭をのんびり走ってたり、狭い出入り口で棒立ちしてたりすると、自分の命が危ないばかりか味方にまで迷惑がかかってしまう。また、ダウンしてる味方にきちんときづいて蘇生してやること。 Gurdion → リーダーになった時は、敵を倒すより生き残ることを考えよう。こまめにLBボタンをおして味方の位置を確認し、後ろにくっついて行動しよう。サブミッションと同じように、リスポーン地点の近くには近づかないこと。復活アリのルールはリスポーン地点が一定ではないので非常に危険。 ANNEX → このルールで重要なのは「先」を読むということ。占領すべきサークルの数はとても少ないので、次にどこにサークルがでるか容易に想像がつくはず。がんばって秒数を確保したところで焼け石に水状態なのでさっさとあきらめて次にむかおう。また、グレネードを落ちてる場所をはじめ、サークルの中や強武器が落ちてる場所など、いたるところに地雷が設置されるので注意。強武器もしっかり回収にむかうこと。 KING of the HILL → 初心者はサークルの中に入り、意地でも動こうとしないがそれでは勝てない。というのもサークルを占領した状態で味方がやられると、復活できないからだ。少々ねばって数秒時間を稼いでも強武器をとられるばかりか、敵がサークルのなかになだれこみ、奪い返すのが非常に難しくなってしまうというデメリットのほうが大きい。こまめにセレクトを押して味方の人数を確認しよう。 ウィングマンは人がいなくてほぼできないので割愛します 脱・初心者の立ち回り チンタラ動かない このゲームは歩くシーンはほとんどない、移動はほぼ走り。ダイブ、ラン三歩、ダイブ、ラン三歩が一番スピードが早い。常にこれで移動しないと、とれるはずの武器はとられ、助けられるはずの仲間は死ぬ。 カバキャンを有効活用 カバーしてる最中に壁と反対側に移動することで、カバーキャンセルすることができる。移動が飛躍的に早くなるので、絶対に覚える。特にSanctuaryのモーターはカバキャンで移動しないと、ブーム争奪戦に間に合わない。 強武器を舐めない 絶対に取りに行く。取らねば死。キャンペーンやHordeだとそれほど重要ではないので、初心者はあなどりがちだが、CPU戦よりライフの低い対戦では、強武器を取った方が80%くらいの確率で勝つ。 味方をシカトしない 初心者は味方から離れて行動したり、倒れた味方を無視することが多い。これでは同時攻撃も回復もできないので、絶対に一人では行動しない。特に倒れた味方を助けられたのにシカトして殺すのは、心象的にも最悪です。5秒くらいごとにLBで味方の位置を確認すること。 どうでもいいところでウロウロしない 上の二つを守れば、自然といつも強武器をとりに移動するか、味方のサポートをするかになり、暇になるということがなくなる。目的を持って行動すれば、常に充実した時間になるのである。…人生と同じだよ! ショットガンは近距離で ショットガンを持つ意味に気付き始めた初心者は、意地でもショットガンを持ち続け、マップの端の敵を撃って、大したダメージも与えられず、自分の位置だけバラすという愚行を犯す。ショットガンは近距離じゃないと意味ありません。中距離以降は撃つだけホント無駄なので、絶対にやめよう。(ただし敵が大ダメージを受けてるときは、ダウンさせられるので追撃する) 殴りは恥ずかしくない 至近距離はショットガンの絶好の間合いだが、やはりショットガンは当てづらいもの。殴りショットガンは50%の確率で敵を倒せるので、自身がつくまで多用するのもいいだろう。特に乱戦中は、お互い中ダメージが入ってることが多いので、殴りは命中率的にもかなり有効。 周りに気をくばる 例えば近くの味方が撃たれまくってるとする。初心者は逃げはじめるか、ボケーっとカバーするだけだが、上級者は敵を撃ちながら味方に近づく。こうすれば味方がダウンしたとき即座に助けられるからである。周りに気を配るとは地味な行為だが、何より大切。 あと初心者にありがちなのが、すぐ後ろにいる味方がダウンしたのに、シカトして走り去ること。俺はしょっちゅう無視されて殺されます。周りを見てれば、すぐ近くに味方がいること、ダウンしたことは気付くはず。 戦場の基本は索敵 気を配ることと同じだけど、索敵というのは、単に敵を探すことではなく、敵と自分が今どういう状況にあるか、次になにをするべきか見極めること。これができないと、目の前の敵にばかり固執して後ろから殺される、いつの間にか強武器が全部とられて逆転できなくなる、袋小路に追い詰められる、など、負ける原因になる。 スナイパーライフルは使わない マジでやめてね。どうせ当たらないんだから。 最後に 上に色々書いたが、これが唯一の正解ではないので、あまり妄信せずに適当にやって良い。重要なのは、負けても続けることと、上手くなりたいと思うことであり、なおかつ楽しんでやれれば、それが何よりの上達の近道である。 それと、パソコンを持っている人は、公式のエックスボックスフレンズというコミュニティサイトに登録し、同じような腕前の人とフレンドになったり、教えてくれる人を探すことも試してみるといい。 以下、2ちゃんより引用 242 名前: 初心者の為のTips [sage] 投稿日: 2009/08/02(日) 10 37 50 ID OB0MXehG ラグ見極め、ホスト判別 ショットガンを撃ってみた時の、残弾ゲージの減り方でラグが込める 多数決で数字の6が見えたらホスト確定 武器選択画面で01,00,00と00が二回カウントされたらホスト確定 ゲーム開始直前にLvが一番最初に表示された人がホストの可能性大 (見えないことも多い) 245 名前: 初心者の為のTips [sage] 投稿日: 2009/08/02(日) 10 52 59 ID OB0MXehG 戦闘の心構え LB、Selectボタンを多用して、味方の位置、敵数等を把握する 裏を取ってくる敵に警戒する ランサー撃ってたり、ロングショット狙撃してたらショットガンでミンチにさ れた とか良くあると思う。5秒に1回は周り見るくらいの勢いで。 ダメージの回復を意識する 一定時間ダメージを受けなければ体力回復する ダメージ少しでも受けたら、カバーするなり、柱の周りグルグルするなりで、 体力の回復待つべし。全快して仕切りなおす。 障害物の無い直線を、敵に向かってダッシュしない。特に前転は絶対ダメ。 なるべく障害物を挟みながら近づく 常に逃げ道(障害物)を確保する 特に敵と打ち合いをしている場合に、近くに敵の弾を防いでくれる 障害物が無いところで、敵と打ち合いをしている人が多い。 ダメージ受けてやばいと思った時に、右か左に柱や壁などがある方が 助かりやすい。 やばい!と思った時に、後に回転しても、追撃くらいやすいです。 243 名前: なまえをいれてください [sage] 投稿日: 2009/08/02(日) 10 40 52 ID 8EICB7jd ショットガンの利用法(ポップショット等) ダッシュ、カバーキャンセル、前転等の使い道・上達法 HSが有効な武器、足止めに有効な武器 これおしえてちょ 246 名前: なまえをいれてください [sage] 投稿日: 2009/08/02(日) 10 56 07 ID s8T24GXf 243 ショットガンLT無しは、LT無しの状態で構えた銃口に敵を重ねるように。 だが出来るだけLT引きで使うべし。 トリガー弾く一瞬前にLTを引くのが(ちょっと違うかもしれん)ぽっぷしょっと。 ほぼ同時の感覚で。 その場合はLT無しより少し右上、画面中央寄りが弾道になるので注意。 HSや足止めはwikiの武器欄見とけ。 252 名前: 初心者の為のTips [sage] 投稿日: 2009/08/02(日) 11 11 35 ID OB0MXehG ショットガンの利用法(ポップショット等) Pop shot、Blind shot、LT撃ちの特性を覚えるのが良いかも。 自分はBlind shot多用派。 弾の散弾具合 (←ばらける) (集中する→) Pop shot < Blind shot < LT撃ち ローカルで壁に撃って試すのが一番 LT撃ちは足が止まるので、乱戦時には注意 Blind shotは、敵弾を受けた瞬間に銃口、弾の飛ぶ先が変わるので注意 ダッシュ、カバーキャンセル、前転等の使い道・上達法 初級者の俺にカバキャンとか、良い度胸だな。 (以下妄想) カバーの特性:視点の向いてる先、つまり前方向へは、カバーできる距離が長い 後は、カバーする直前でLSを後に入れると同時に、RSを調整するんだ! HSが有効な武器、足止めに有効な武器 Executionでランサーで敵ダウンさせたけど、遠くてトドメさせにいけない! →ハンドガンで頭撃てばトドメさせるよ
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/37350.html
登録日:2017/07/30 Sun 22 18 18 更新日:2020/05/15 Fri 16 43 07 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 SHEDO WAR OF BRAINS 医者 SHEDOはタカラトミー×ホビージャパンのスマートフォンゲームWAR OF BRAINSの勢力の一つである。 概要 スマートフォンカードゲームである『WAR OF BRAINS』に登場する勢力のひとつ。 兵士と医者のいる国であり、カラーは黄色と橙の中間。ナビゲーターはANILA。 カードの特徴としては「メモリー」を破壊してパンプアップという系統や ソウルを消費してパンプアップなど、LAPIS同様にビートダウンを得意とする色。 ただしLAPISよりも単体のスタッツは高めであり、またメモリーを壊す都合高コスト体を採用することが少なくなることから、 アグロSHEDOはプレイング・金銭的いずれの面でも初心者向けと言われている。 じゃあ逆にコントロールはどうなのという話だが、実はこっちはこっちで強い。 コントロールの場合、前述のゴリゴリ削るユニットではなく、 相手ターン中はスタッツが上がって除去されにくい《日傘のリリア》《戦場医 オリーブ》、 相手の高スタッツユニットをロックする《正義の姉妹 ケイ&ミイ》、 その他回復力の得意なユニットと合わせてうまく攻めたい。 ただしアグロとは打って変わって莫大な出費を要求されるため、 こっちを組みたければとにかくビルド戦とPvPでNEUROとBITを稼ぎまくるしかない。 割とインド系の世界観を描いているものの、医者を中心にそうでないユニットも多い。 ナビゲーター:ANILA CV 水瀬いのり 褐色インドロリ。かわいい。 ソウルバースト:サモン 召喚。 レベル1はガネーシャ。他のユニットがいれば1ドロー。 レベル2はカーリー。三点回復もちガーディアン レベル3はシヴァ。強いけど弱い。 特にSHEDOはソウルを「貯めたくない」ため、恐ろしいことに《ラッキー》が敬遠されていた時期すらある。 今はソウルを消費する効果持ちが登場しているため、シヴァを出さなくて済む。 シヴァを出すのは本当におすすめしないっていうかやめとけ。あれ甲鱗様の亜種みたいなもんやで。 代表的なユニット ガルーダ C コスト1 1/1 このユニットは2回攻撃できる。 文化学 1コストで二回攻撃できる優秀なユニット。特にパンプアップと相性がいい。 アグロではまず3枚投入必須。そしてマリガンではとにもかくにもガルーダをキープしよう。 慌てんぼうのミンティ PR コスト2 2/2 ログイン:他の味方ユニット1体に「クイック」「ガーディアン」「インパクト」のうちいずれか1つをランダムに与える。 医学 狙ったものが付与されないのはご愛嬌、単体でスペックは悪くないのでアグロでは採用されやすい。 無情な参謀 ヴォルカ R コスト4 3/2 チョイス 1/+1する。 1/+1し「クイック」を得て、あなたのメモリーを1つ破壊する。 文化学 自ら殴りこむ参謀。参謀ってなんだっけ(哲学) 普通に4/3とぶっ飛んだスペックだが、もっぱら割ってクイック4/3として用いられる。 代表的なデッキ アグロSHEDO メモリを割ってガンガン殴る。 NEUTRALの《魔眼男爵 チャットアイ》とメモリ割りが相性がいいため、あわよくば感覚で使用される。チャットアイバグやめて ひたすらメモリ割って殴るだけ、メモリ割るから高コストGCとか入るわけないな! ただしたまにGCでも《終戦のオルディア》は入ったりする。 ただし兎にも角にもメモリを割るため、MAGNAのウイルスコントロールはしんどい。 コントロールSHEDO 《キュア・サンクチュアリ》や《決意の華王 アン・サリヴァン》などのAoEをかましつつ《華の女王 シェーラ》で制圧するデッキ。 兎にも角にもGC・SRが多いためかなり組みづらい。最初のうちから金をガッツリ入れて組むか、そうでなければアグロ組んで回したほうがいいだろう。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 名前 コメント